掲載新聞 1994年1月24日(月)毎日新聞
1994年1月24日(月)毎日新聞 日韓朝
各種団体 次々賛同
インサイドリポート


 在日韓国・朝鮮人が中心になり、国籍を問わずに無償で心身障害者に介護ボランティアを派遣する「コリアボランティア協会」が今月三十日、 生野区で発足する。会長は在日朝鮮人二世の書道家、康秀峰さん(四五)で、康さんが市民団体に会議や出会いの場として無料開放している 「コリア文化ホール」に事務局を置く。登録したボランティアは百人以上、賛同団体も二百を超えており、当日は民団、朝鮮総連の南北双方の関係団体を含め、 日・韓・朝の賛同人が集まって祝う。「コリアンにも障害者の多いのに、市民的な取り組みが遅れていた」と必要性を話す康さん。全国でも珍しい取り組みを取材した。(蓮見 新也)

コリアボランティア協会、30日に発足
障害者介護活動ともに


 康さんは四歳年下の弟が足などに障害を持って生まれたため、五歳の時から弟の世話をするうち、弟以外の障害者も介護するようになった。
 康さんがボランティア協会の設立を考えたのは、在日韓国系商工人の社長から「同胞のために役立ててほしい」とビルの一室を無料提供されたのがきっかけ。コリアタウン近くの一等地で、康さんは「あらゆる人が利用できる文化交流の場に」と一昨年七月、「コリア文化ホール」(生野区桃谷三)を発足させた。  週三回、同ホールで開く書道教室の収入などを充てて運営。手話教室をはじめ、障害者団体の利用が多い。また、知的障害者や自閉症児を対象に、同ホール運営委員の山田裕子さん、金京保さんらと企画いている野外ハイキングなどの「家族レクリエーション」は参加者が常時八十人、先月で八回を数えるまでになり、障害者がボランティアの支援や場所の受け皿がないため、欲求はあってもなかなか外に出られないことを実感した、という。
 康さんが昨年十二月から、協会の設立を呼び掛けたところ、関西芸術座の俳優で、ひとり芝居で知られる新屋英子さん、映画監督の金秀吉さん、飯沼二郎・京大名誉教授らをはじめ、日・韓・朝の各種団体が次々に賛同。ボランティアの登録者も百人を超えたため、今月末の発足を決めた。事務局の同ホールには、二十四時間態勢でボランティア職員を配置、障害者の住所、障害の程度、外出希望の曜日など、相談内容や相性を考えてボランティアを紹介するという。
 既に、和歌山、広島両県の賛同者から「支部として活動したい」という連絡も入っており、将来は全国組織に、と夢は広がる。康さんは「福祉は国籍を問わず、一緒になって取り組めるテーマ。在日韓国・朝鮮人が地域社会で意義ある活動を続けていけば、日本の人たちとの共生もスムーズになる。昨年生まれた自分の息子が成人になるころには、地域に密着した在日社会を築きたい」と熱っぽく語る。
 ホールの運営は毎月十万円以上の赤字。さらに、協会の運営費も当面は康さんの持ち出しになるが、軌道に乗れば、派遣ボランティアの交通費などを費用面で援助する賛助会員を募り、財政的にも安定したシステムを作りたい、という。
 発足式は三十日午後一時から同ホールで。韓国、朝鮮双方の華やかな舞踊でセレモニーを行う。問い合わせは同ホール(06・717・7301)。

掲載新聞目次

HOME コリアボランティア協会ホームページに戻る

新ホームページ:http://korea-v.com
新e-mail:korea-v.com-info@tulip.ocn.ne.jp  (c) korea v,2000