掲載新聞 2001年7月4日(水)朝日新聞
2001年7月4日(水)朝日新聞 無償借用事務所失った「コリアボランティア協会」
路上ショップで地域密着
他団体と交流し連携強化
生野区に介護の新拠点 自前建設目指す


 不況の影響で事務所からの立ち退きを余儀なくされたボランティア団体「コリアボランティア協会」(生野区勝山北3丁目)が、商店街で路上ショップを開いたり全国各地の団体との交流に乗り出したりして、支援を呼びかけている。地域の障害者や高齢者らにとって不可欠の存在となった同協会の安定した拠点づくりのためだ。
 路上ショップは「ピビショップ」と名付けられ、昨年12月に「コリアタウン」として知られる生野区の御幸通商店街で開店した。「ピビ」とは、ハングルで「混ぜる」という意味。精肉店の店先を借り、同店が休みの毎週水曜日だけ営業している。北海道、東京、沖縄など全国11カ所の障害者作業所で作られたはがきやアクセサリーなどの商品や、韓国の大学生のボランティアグループから送られた韓国製スニーカーなど約50種類が並ぶ。
 営業時間は午後1時から5時まで。今では毎週水曜日を楽しみにして、立ち話をしに来る高齢者や生活相談に来る障害者もいる。同協会代表代理の山田裕子さん(51)は「ものを売るだけではなく、ショップが地域のつながりを媒介する役目ができればうれしい」と話す。
 同協会は7年前に在日コリアンと日本人で結成した。生野区を中心に、主に障害者や高齢者の介護ボランティアをしている。協会の専従スタッフは7人だが、協力を申し出たボランティア登録者は約8000人に上り、活動を支えてきた。
 ところが、昨年5月、これまで事務所として無償で借りてきたマンションの部屋から立ち退きを求められた。不況のためマンションの所有者が変わったためだった。
 新事務所を探し歩いたが、「障害者が出入りする」と言うとすべて断られ、結局同9月に近所の空き店舗を「緊急避難所」として引っ越した。しかし、広さはそれまでの5分の1の約20平方メートルで、机や事務機器を置くだけで精いっぱいの状態だ。
 そこで、同協会は、活動の拠点として新事務所の建設を目指すことにした。建設資金はカンパに頼るが、まずはボランティアへの理解を広めることが必要と考え、多くの人と触れ合える活動に乗り出した。「ピビショップ」もその一つだ。
 さらに、今回の事務所立ち退きから、山田さんは「一つひとつでは弱いボランティア団体は、どんなにいい活動をしていても、いったん資金がなくなれば簡単につぶれてしまう」と痛感し、もっと団体同士の連携を強めなければならないと決意したという。
 この教訓から同協会は「日本全国ボランティアロード」を始めた。昨年12月に神奈川県川崎市を訪れ、障害者施設でほかのボランティア団体と交流した。今年4月には東京・渋谷で、大学生グループと一緒に街頭で支援を呼びかけるビラを配り、募金を募った。
 山田さんは「身体障害も民族も人を隔てる壁としては同じもの。在日コリアンの多い生野で、その壁を取り払う活動を続けることは、大きな意味を持つと思う。何とか、ここ生野に新事務所をつくりたい」と話している。
 同協会へのカンパの郵便振替口座は、00920・6・29408「コリアボランティア協会」。

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