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さざなみ 在日コリアンB 母への思いにこだわって 康さんの両親は韓国・済州島の出だが、ともに朝鮮籍。父は戦前、日本に強制連行され、大阪市生野区に住みついた。母は生まれてまもない、康さんの兄や姉をかかえ島に取り残された。戦後、父のあとを追い幼子を連れて日本へ。そして康さんが生まれた。 母の新たな苦労が始まる。父は他に女性をつくって家に寄りつかなくなった。生活はぎりぎり。母は廃品回収業をして子供らを何とか養った。 家の前に孤児が住んでいた。同じ年ごろの康さんが、貧しい食事を切り詰め、一部を分けてやったことがあった。「この子ったら」とあきれ顔の母が、実は前からこの孤児に施しをしていた。 康さんが朝鮮籍を固持しているのはこの母への強いきずなからだ。それと「日本では『南』は良くて、『北』は悪いというイメージが強いから」と、屈折した感情もある。 このあいだ、妻と7歳の一人息子の3人で、オリンピック予選の日韓女子バレーをテレビで観戦した。夫婦は「南」を、息子は日本を応援した。 3世の息子は「北」の民族学校に通わせているが、日本文化が身についている。康さんはそれでいい、と考えている。ただ、朝鮮半島のことは勉強してほしいと思っている。 11月に生野区のコリアタウン(御幸通商店街)で開かれる「ワンコリアフェスティバル」。祖国の統一を願う音楽祭で、今年で16回目。民団や朝鮮総連など在日の南北の団体が参加し、康さんが代表をつとめるコリアボランティア協会も協力している。 この催しのテーマ文字、ハナ(一つという意味)というハングル文字は康さんが書いた。別に作品に「高薫一國之光」というのがある。南北統一への希望を託したもので、展覧会で高い評価を受けた。現在、平壌の博物館に展示されているという。 6月の南北首脳会談には心が躍った。「半世紀も分断されてきたから急激な統一は無理。あせらず、明るく、あきらめず」。いつか、その手使いをできたら、とひそかに胸を熱くしている。 【前田 隆司】 |
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