1998年3月28日(土)毎日新聞












































 
だれかの隣で
ボランティア体験記
コリアボランティア協会
代表・康秀峰さん
大阪市生野区在住 1948年生まれ
高齢者の介護、震災募金も
“弱い立場”支えあって“

 ボランティアを始めたきっかけは、16歳の時の病気でした。突然、体を五寸くぎでも刺されたような痛みで動けなくなりました。後にリウマチと分かりましたが、その時は原因不明で学校にも行けません。僕は空手とテニスをやっていて、勉強もまあまあでした。だから、親兄弟や友だちも僕がおかしくなったと言いました。僕は、体が痛い以上に心が痛かった。人の痛みは見えません。見えない悲しみや苦しみが分かるようになろうと思いました。
 治ってから、生まれつき足が不自由な4歳下の弟の世話をしたり、近所の目の見えないおばあさんの手伝いなどを意識的にするようになりました。障害者の在日コリアンで親が育てられない子の世話などをずっと続けてきました。
 コリアボランティア協会は、マンションの1室を提供してくれる人があり、1994年1月に開設しました。高齢者や障害者の介護や自立支援が活動の中心です。阪神大震災が起こって、炊きだしや避難所の支援活動などを始めました。今も全国の子供たちに被災者支援の手紙を出すよう呼びかけ、それを文集にして神戸市長田区の仮設住宅や病院などの高齢者に届けています。学校単位の文通クラブも50カ所以上できました。
 また、震災の風化を防ぐため、昨年11月には東京で募金活動を行い、芸能人に提供してもらった品物や神戸のケミカルシューズなどのチャリティーオークションを計画しています。
 協会には、全国約3200人の登録ボランティアがいます。約8割は日本人。「コリア」を名前に入れたために「差別されている方が差別されている人を助けるのはおかしい」という人もいます。差別は残念ながら残っています。
 2年ほど前、役所から介護ヘルパーを依頼してきました。けれどもその後、介護が必要な高齢者が「在日コリアンなら嫌だ」と断ってきたと連絡がありました。その時は、さすがに頭にきました。しかし、社会的に弱い立場の人が支えあわなければ、世の中は変わりません。
 そのためには若い人を育てたい。ネックになるのは経済的な問題です。いい青年が来てくれるのですが、恋人ができたらやめてしまう。常駐のスタッフに月1万円の“給料”しか払えない現状では、しかたがないかとも思います。善意を生かせるようなボランティアのシステムをつくるのが今後の目標です。
 活動資金はカンパに頼っています。できれば郵便振替で00920−6−29408までお願いします。

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