掲載新聞 1997年4月12日(土)統一日報
1997年4月12日(土)統一日報 各地の小・中学生と仮設住宅のお年寄り結び“文通縁組み”
大阪のコリアボランティア協会
被災地のお年寄りに手紙を


 【大阪11日=琴栄柱】阪神・淡路大震災の被災弱者らへの支援活動を行っている大阪のコリアボランティア協会(康秀峰代表)は、仮設住宅などで生活する被災地の高齢者を励まそうと日本全国小・中学生に文通を呼び掛けている。
 昨年の夏休み、大阪府松原市の松原三中の生徒たちが神戸市長田区の西代仮設住宅にボランティアとして入った。二学期からは文通を開始し、今年一月には約二十五人の生徒で文通サークルを結成した。今も手紙を通じ、また、長期休みを利用して仮設を訪ね、高齢者との交流が続いている。
 同協会の鄭炳熏代表代理(四五)は「生徒から来た手紙を宝物のように、大事に束にして持っている高齢者もいる。目の不自由な高齢者に手紙を代読してあげると泣きそうな、うれしそうな顔をする」と話す。
 孫のような松原三中の生徒との文通交流が、独り暮らしなどの被災高齢者の生きる励みになっていることから、同協会ではこの流れをもっと広げていけないかと日本全国の小・中学生に呼び掛けることにした。
 同協会では、手紙を送ってくれた各地の小・中学生と被災高齢者との仲人役として“文通縁組み”を進める考えで、読み書きのできない高齢者のために手紙の代読、返事の代筆作業や電話連絡なども行う。
 三月下旬、東京の読売新聞で文通呼び掛けが記事化されたことをきっかけに、「前々から人のために役立つことをやって、喜んでもらえることができないかなと思いました。私と文通して、おじいちゃん、おばあちゃんが少しでも悲しい阪神大震災のことを忘れてくれたらと思います」などと、関東地区を中心に日本各地の小・中学生らからすでに約三十通の手紙が同協会に送られてきている。
 鄭さんは「多くのボランティアが去り、震災から二年たっても仮設から出られない状況のなか、結局、取り残されたという思いだけが残り、『あの時、死んだらよかった』という声が仮設の高齢者らからよく聞かれる。このボランティアなら遠方からでも気軽に参加できる。手紙が来ると思ったら、それだけでも高齢者にとっては違う」と話す。
 手紙は同協会まで送付のこと。なお、同協会では、十人の専従スタッフの月給を一万円から三万円と切り詰めているが、それでも月平均約三十万円の赤字で、支援カンパ(郵便振替00920・6。29408)も呼び掛けている。

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