掲載新聞 1997年4月10日(木)統一日報
1997年4月10日(木)統一日報 桜と温泉で疲れを癒して
阪神・淡路大震災被災者を招待
青森・みちのく銀行が企画


 【大阪9日=琴栄柱】阪神・淡路大震災の被災者が生活する仮設住宅でこんな声が聞かれた。「街には花が咲き始めているが、仮設では一向に花が咲かん。そのことが腹立たしくてならない」。そんな被災者たちに青森からうれしい便りが届いた。「毎日たいへんなご苦労をされている。弘前の桜を楽しみ、温泉で日ごろの疲れをいやしてください」
 青森県の「みちのく銀行」(大道寺小三郎頭取)は、弘前城での「さくらまつり」に全額同行負担で被災者ら十五人を往復飛行機の一泊二日の日程で招待する。同まつりは今年二十三日から五月五日まで開催されるもので、招待される二十八、二十九の両日は今年の見ごろとされ、「桜の古城」の五千本の桜が、被災者たちを温かく迎えてくれることになりそうだ。
 大道寺頭取が今年一月十六日のニュースで被災者支援のボランティア団体の窮状を知ったのを契機に、同行は大阪のコリアボランティア協会(康秀峰代表)に百万円を寄付した。先月、お礼のあいさつに協会員が東京出張中の頭取のもとに行った際、頭取が「四月の桜の時にぜひいらしてください」と招待した。
 この話を持ち帰り、ボランティアに入っている神戸市長田区の西代仮設住宅で希望者を募ったところ一日で締め切るほどの人気だった。今回参加が決まった人のほとんどが六十歳以上で最高齢は七十九歳。招待される十五人のうち、同協会のボランティア三人が介護のために同行する。
 九五年三月から同仮設に入居しており、今回招待される在日韓国人女性の崔玉さん(六八)は震災直後、各地の温泉などから無料招待がたくさんあったことを覚えている。「家の下敷きになってけがをして、その時はそんな気分になれなかった。最近ではこんな話は全然聞かなくなった。仮設住宅での生活はいろいろあって、息が詰まる毎日です。本当にうれしいし、ありがたい話です」と話していた。

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