掲載新聞 1996年7月21日(日)産経新聞
1996年7月21日(日)産経新聞 神戸市長田区の仮説住宅
独り暮らしのお年寄り訪問
松原三中 生徒たち文通を申し出る
交流を深めましょう


 松原市の市立松原第三中学校の二年生が二十日、神戸市長田区の西代仮設住宅に住む独り暮らしのお年寄りらをボランティアとして訪問。お年寄りらに文通を申し出た。中学生らは文通を通じて被災者の心の支えになることを目指す。この活動を支援するコリアボランティア協会の関係者も「若い世代が相談相手になることで、高齢の被災者が希望を見いだしてくれれば」と期待を寄せている。
 同校では二年生を中心に「違いを豊かさに」をテーマにアジア地域についての学習活動を実施。その一環として今月六月、在日韓国・朝鮮人が多く住む大阪市生野区のコリアタウンを訪問した。
 被災地での炊き出しや仮設住宅に住む高齢者らの身の回りの世話などのボランティアに取り組むコリアボランティア協会の康秀峰(カン・スボン)代表に、生徒の一人が「なぜ、日本で差別を受けたのに、ボランティア活動を行うのか」と質問。
 康代表が「差別に対しては愛情で報いたい。それがボランティア精神」と答えたのに生徒らが感動。「自分たちも独り暮らしのお年寄りの心の支えになりたい」と文通を始めることになった。
 二十日の活動に参加したのは二年生二十四人。午前十一時すぎに西代仮設住宅の自治集会室に集合。仮設住宅周辺を清掃したあと、同仮設住宅の長尾政三副会長から、震災後の体験や仮設住宅の生活ぶりを聞いていた。
 続いて、十班に分かれて二百四十世帯を個別訪問。同協会のボランティアや引率の教諭と一緒にお年寄りの相談相手になりながら、「これからお手紙を出しますので、ぜひお返事をください」と文通を申し出た。
 生徒を引率してきた横田雅昭教諭は「お年寄りの悩みの相談を一方的に引き受けるのではなく、中学生が親にも相談しにくい友人関係や恋愛の悩みを人生経験豊かなお年寄りに手紙で打ち明けることで、両方間の交流が深まれば」と期待する。
 文通ボランティアをバックアップする同協会の鄭炳熏(チョン・ビョンフン)代表代理は「仮設に一人で暮らす高齢者の中には家族を亡くした人も多い。長期間の交流が前提の文通は心のケアに最適。若い世代とのつながりが生きる張りになれば」と話す。

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