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社説 コリアボランティア協会の発足 在日同胞が中心となった福祉ボランティア組織「コリア・ボランティア協会」(康秀峰代表)が一月三十日、同胞多住地域の大阪市生野区で設立されたというニュース(二日付本紙)に接して心温まる思いをし、在日同胞社会の未来に一点の明るさを見いだした人は多いことであろう。 同協会は、国籍や所属を問わず、心身に障害をもつ人や高齢者ら弱い立場の人々に無償でボランティアを派遣し、日常生活の手助けをし、様々な悩みをもち困っている人々の相談に応じることを基本任務とする組織である。 生野区桃谷にある「コリア文化ホール」でもたれた同日の設立の集いには、在日同胞や日本人、アメリカ人、南アフリカや、健常者に身体障害者など、様々な国籍や立場の人が約八十人集まり、期待や喜びのなかで協会の門出を祝ったという事実そのものが、在日同胞を中心にする開かれた福祉組織としての同協会のすぐれた特徴を如実に示しているといえよう。 開かれた同胞中心福祉組織 いかに大きな同胞の期待の中で喜ばしく受けとめられたかは、設立の集いに参席したある同胞女性が「障害児を持つ母親として、とてもうれしい。コリアという名のつくボランティア協会が初めてできたことも朝鮮人としてうれしい。心の支え、明日を生きるための支えになる所になってほしい」と語った言葉からうかがい知れよう。 実際、在日同胞社会には民団、総連をはじめ様々な各種サークルに至るまで様々な規模、形態の民族団体や組織が存在するが、恐らく「コリア・ボランティア協会」のような同胞中心の開かれた福祉組織は、これが初めてではないかと思われる。その点でも極めて意義が大きいと言える。 昨年末からの設立賛同の呼びかけに対し日本全国の障害者団体を中心に二百五十余の日本の団体が応じ在日同胞も市民グループなど約四十ほどが呼応したほか、既に関西在住の同胞を中心に学生や主婦、社会人ら約百六十人がボランティア登録を済ませていることは、同協会が着実な発展を遂げていくことを示すものだろう。 日本において在日同胞は基本的に社会的弱者である。その中でも心身障害者や高齢者は一番弱い立場にある。それらの人々のために、自発的に献身的なボランティア活動を行う組織がこのような形で設立、発足したということは頼もしく心強い限りだ。 しかも同協会の発足までの経緯は実に感銘深く、同協会の成功的発展を約束すると同時に、在日同胞社会発展の明るい可能性を具体的に示しており、胸を打つ。 高い志の結晶を皆で育もう 協会代表の二世の康秀峰さん(四五)は、生まれつき足の悪い弟の面倒を見てき、自分自身も十六歳でリューマチにかかり、一年間、家で寝たきりの生活を送った経験をもつ。リューマチは今も関知していないが、その時、歩けるようになれば、苦しんでいる人のために一生生きぬこうと思ったことが契機となり、十八歳の時から障害者の介護をしたり、孤児の面倒を見るなどボランティア活動にたずさわってきた。 書道家の康さんは生野区桃谷で書道教室を開きながらも、そのようなボランティア活動を継続し、貧しい子には月謝もとらず習字を通して人間性を育てる努力をした。その姿に共鳴した在日二世の商工人、文萬一さん(四八)が、九二年に無償で百平方メートルの事務所を提供したのが、「コリア文化ホール」(同年七月オープンいとなり、今回協会の事務所もそこに設けられた。 協会をつくるようになったのは、障害者の介護など様々な相談が多く寄せられるようになり、体力をはじめ個人の力量を超えるようになったため、それならば輪を広げ組織的に対応していこうということからであった。 そのほか康さんは、自治体や国に要求するよりまず自分たちでできる福祉奉仕活動を積極的に展開することで在日同胞の社会的イメージアップを図り、それを通じて自分の子供をはじめ同胞子弟に在日韓国人としての人間的な自負と誇りを持たせたいと願っており、それも強い動機となっている。 その意味で協会は、高い志を中心に結集した在日同胞の思いと力量の結晶というべきものである。心ある多くの同胞とともに、同協会に対する支援、協力を惜しまず、その発展を見守っていこうではないか。 |
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