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日韓自由貿易協定の経緯に関する情報

日本と韓国の自由貿易協定の経緯に関する情報も、日本とメキシコの自由貿易協定の経緯と同様政官主導で、経済界がその動きに乗っていくという形で進んでいます。

自民党がかなり主導的に取り組んで進めています。最初の提言者が韓国にいる日本の大使であるというところもメキシコと全く同じです。



1998年9月

小倉駐韓国日本大使、自由貿易協定発言

1999年1月

自民党森喜朗、日韓自由貿易協定を締結すべき

1999年3月

小渕総理発言:北東アジア自由貿易地域を作る必要

2000年5月

日本貿易振興会アジア経済研究所:報告書発表

2000年9月24日

日韓首脳会談:日韓FTAビジネスフォーラムの設立言及

2001年11月20日

経団連:日韓FTA早期に締結すべき

2002年1月25日

日韓FTAの実現のための共同宣言文

2002年3月22日

日・韓首脳会談
:日韓自由貿易協定の産官学共同研究会の設立を決定

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1.小倉駐韓国日本大使、自由貿易協定発言

1998年9月

小倉駐韓国日本大使が、韓国の経済団体との会合で、「日韓自由貿易協定を締結すべき」と提言。

詳細 1998年9月16日 朝鮮日報記事(英文)

Japanese Ambassador Proposes Free Trade Zone

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2.自民党森喜朗、日韓自由貿易協定を締結すべき

1999年1月

衆議院本会議にて、森喜朗議員が、自民党を代表して、小渕総理に「そう簡単なことでは無いと承知しているが(農産物の対韓国全面自由化については、農家からの大きな反発が予想されるが、それでも)、日韓自由貿易協定を締結すべき」と発言。

詳細 1999年1月20日

145回−衆議院本会議議事録−02号

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3.小渕総理発言:北東アジア自由貿易地域を作る必要

1999年3月

小渕総理が、訪韓し、高麗大学で講演、「EUのような北東アジア自由貿易地域を作る必要があるので、学生のみなさんに研究してもらいたい。」と発言

詳細 1999年3月20日

小渕総理大臣演説
高麗大学における小渕総理大臣演説
−新世紀の日韓関係−新たな歴史の創造−

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4.日本貿易振興会アジア経済研究所:報告書発表

2000年5月

日本貿易振興会アジア経済研究所が、21世紀日韓経済関係研究会報告書を発表。

「自由貿易協定交渉を進め、早期に合意に達して、自由貿易協定の枠組みを提示することが望ましい」と主張。

詳細 2000年5月

21世紀日韓経済関係研究会報告書

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5.日韓首脳会談:日韓FTAビジネスフォーラムの設立言及

2000年9月24日

日韓首脳会談で、日韓FTAビジネスフォーラムの設立を歓迎することで一致(つまり、政府でなく、経済団体で推進宣言を出してもらいましょうということで一致)

詳細 2000(H12)年9月24日

金大中大統領の訪日

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6. 経団連:日韓FTA早期に締結すべき

2001年11月20日

経団連が、「日韓産業協力の新たな発展に向けて」を発表。

「日韓FTAは、未来を志向する日韓関係全般にとっても意義あるものであり、21世紀の両国関係を象徴する意味からも、早期に締結すべきである」

「実際のFTA交渉に入った際に避けて通れない課題は、農林水産品に代表されるセンシティブ項目の取扱いである。

<略>

われわれはこうした分野の問題を、わが国全体としての通商戦略の下、自由化による市場開放と輸入拡大が国民の大多数の便益を増進させるという認識に基づき克服すべきであると考える。(つまり、大企業が儲かるのだから、農林水産業は犠牲にして自由化すべきということ)」と主張

詳細 2001年11月20日

経団連声明:日韓産業協力の新たな発展に向けて

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7.日韓FTAの実現のための共同宣言文

日韓・韓日FTAビジネス・フォーラムが、2002年1月25日に東京で第2回合同会合を開催し、両国間の自由貿易協定(FTA)についての合意内容を発表した。

詳細 2002年1月25日

日韓FTAの実現のための共同宣言文

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8.日・韓首脳会談:日韓自由貿易協定の産官学共同研究会の設立を決定

2002年3月22日

日・韓首脳会談にて

日韓自由貿易協定につき協議するための産官学共同研究会を設立することを決定(実質的な交渉に入ることを決定)

詳細 2002(H14)年3月22日

日・韓首脳会談後の共同記者会


(ここから詳細記事になります)

1.Japanese Ambassador Proposes Free Trade Zone

Japanese Ambassador Proposes Free Trade Zone
(1998.09.16 朝鮮日報)

Japanese Ambassador to Korea Kazuo Ogura said Wednesday that it would be worthwhile for a joint research project to be started by the two countries to embark upon a feasibility study for the establishment of a free trade zone or a permanent bilateral economic organization. Ogura also proposed that a consultative meeting of economic ministers between two countries take place. The ambassador made the proposal in a speech delivered to a monthly breakfast meeting of the Federation of Korean Industries (FKI). Ogura added that his proposal is made taking into consideration that Korea is a member country of the Organization for Economic Cooperation and Development (OECD), signaling its participation in the world economy as a fully industrialized nation. In this context, the ambassador said that Korea and Japan must pursue the objectives they have in common together for their mutual economic development.

(Lee Dong-han, dhlee@chosun.com)
http://www.chosun.com/g__.html

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2.145回−衆議院本会議議事録−02号

145回−衆−本会議−02号 1999/01/20

○森喜朗君 私は、自由民主党を代表して、小渕総理の施政方針演説に対し、総理及び関係閣僚に質問いたします。

<略>
円を国際通貨として強化するために、ユーロ通貨統合や、米国とカナダあるいはメキシコとの自由貿易圏と同様な仕組みをアジアでも考えることは、現状ではそう簡単なことではないことは私も承知しております。

しかし、最近、韓国経済界の一部には、二十一世紀へ向けて、日本と新たな共栄圏を設立すべきとの注目すべき意見が出ております。

この際、アジアにおいても、新世紀に向けて、共存の基盤を隣人と築くため、自由貿易協定や自由貿易圏を検討してもいいのではないか。この機を逃がしてはならないと思いますが、総理、いかがでしょうか。(拍手)

<略>

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 森喜朗議員にお答え申し上げます。

<略>

自由貿易協定に関するお尋ねであります。

我が国は引き続き、WTOのもとで、グローバルな自由貿易の促進を重視してまいります。今後、アジアとの経済関係の強化に伴い、国際ルールの枠組みのもとで、さまざまな方途を検討することが適当であると考えております。

次に、日米関係についてでございますが、この両国間を展望いたしますと、歴史を振り返りますと、我が国は明治以来、国家の発展を、外交面では日英同盟を基本としてまいりました。戦後、今日に至る我が国の繁栄を外交面で支えておりますのは、言うまでもなく、日米安保体制を基礎とする日米関係であります。

二十一世紀を控えて、今後世界がさまざまな課題に直面するでありましょうが、私は、ここまではぐくんできた日米関係をさらに発展させていくことが、我が国のため、そして世界のため、必要不可欠であると考えております。

<略>

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3.小渕総理大臣演説 

小渕総理大臣演説

高麗大学における小渕総理大臣演説
−新世紀の日韓関係−新たな歴史の創造−

平成11年3月20日
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/11/eos_0320.html

<略>

第三は、将来のアジア経済の構想(ヴィジョン)を描くことです。この作業には、皆さんのような若い世代の人々が夢を持って参画する必要があります。

欧州では通貨統合が達成され、経済面での統合が着々と進んでおりますが、この欧州統合も、50年前までは単なる「夢物語」でしかありませんでした。アジア及び世界にはこのような統合の動きはまだ本格化しておりませんが、APECのような地域協力の場に加え、北東アジア自由貿易構想という構想も出てきており、民間レベルではこうした構想についても既に議論が進められています。

21世紀の将来において日韓両国が核となって、EUに匹敵する自由貿易圏をこの地域でも創り出すという「夢」を是非、柔軟な発想力を持っている若い皆さんに検討してもらいたいと考えています。

<略>

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4.21世紀日韓経済関係研究会報告書

21世紀日韓経済関係研究会報告書:

総論『21世紀の日韓経済関係はいかにあるべきか』要旨
2000年5月

http://www.jetro.go.jp/ged/j/press/2000_05_23/2000_05_23_3.htm

日本貿易振興会アジア経済研究所

  1. 日本と韓国は2000年来のもっとも近い隣国である。1965年の国交正常化以来日韓間の貿易・投資・人的交流は飛躍的に増大したが、韓国の対日貿易収支赤字の拡大をめぐる摩擦等あって、1990年代を通じアジア経済危機にかけて日韓両国間の貿易・投資は停滞し、両国関係はやや疎遠になった。

    しかし、1997年夏の通貨危機が韓国へも波及し、深刻な経済停滞に陥った。日本は1992年以来の長期不況から抜け出せず、1998年は両国ともマイナス成長率を記録した。そこからの回復プロセスで日韓関係の見直しの機運が双方で高まった。

    10月の訪日時に金大中大統領は「20世紀の問題は20世紀中に解決して、21世紀の韓日パートナーシップを築こう」と発言して、日本人に深い感銘を与えた。年末に向けて大臣会合や日韓閣僚懇談会、日韓官民合同投資促進協議会等がもたれ、日韓経済関係を緊密化する道が模索された。

    その中で通商担当大臣会合において、日韓双方の民間レベルで日韓自由貿易協定を含めた日韓経済関係緊密化のための方策を研究することもこの中で提案された。1999年3月の訪韓で、小渕総理は「日韓経済アジェンダ21」で、これまでの経済協力の枠を越えた日韓関係強化を提案した。

  2. GATT/WTOでは無差別・最恵国待遇原則の例外として、世界大の自由化への第一歩として自由貿易協定、すなわち関税・非関税障壁の相互撤廃を認めている。ただしその結果第三国との貿易障壁を引き上げてはならず、実質上すべての分野を含み、ほぼ10年間で達成することが条件とされている。

    日韓両国は世界の主要貿易国としてこれを遵守しなければならない。二国間自由貿易協定は日韓双方にとって初めての試みである。日本も韓国もこれまでもっぱら多国間通商システムの下での自由化を推進してきた。

    しかし今や自由貿易協定はEU、NAFTAを始め、多数の国々が近隣国同士の経済統合を進める手段として採用し、多国間通商システムの下での自由化を達成する現実的な方途と見なされるようになっている。

    日韓自由貿易協定が締結されれば、日韓間に残存している関税・非関税措置を取り除く以上に、投資促進・貿易円滑化や両国の基準認証の共通化を含めた幅広い市場一体化の効果が期待できる。

  3. 日韓自由貿易協定はどのような効果をもたらすだろうか。まず関税・非関税措置撤廃による貿易の拡大が挙げられる。日韓の比較優位がはっきりしている分野で輸入品の国内価格が低下し、輸入量が拡大する。これが貿易創出効果である。

    他方関税その他の障壁が据え置かれる第三国からの輸入は減少する貿易転換効果を生む。日韓間では、韓国から日本で比較的高い関税が残っている衣類や雑貨品、水産物の対日輸出が増加し、日本からは精緻な機械や金属製品の対韓輸出が増加するであろう。

    韓国の対日平均関税率は7.9%に対して、日本の対韓平均関税率は2.9%と低いので、韓国の対日輸出増より日本の対韓輸出増の方が上回り、韓国の対日貿易収支赤字が拡大しよう。

    しかし貿易転換効果の結果、韓国の対世界貿易収支赤字は縮小するであろう。

  4. しかし、果たしてこれだけが日韓自由貿易協定の効果だろうか。日韓間では低級品・高級品や部品・完成品を相互輸出入し合う産業内分業型の貿易が拡大してきており、旅客・運輸・建設・通信・金融等のサービス貿易も効果に含まれる。

    これらの分野では関税・非関税障壁はゼロか低率ないし小さく、上述の静態的分析では捕捉されない。

    これらの分野では自由貿易協定で日韓市場の一体化が進むと、日韓企業間での競争が激化する一方、日韓企業間での戦略的提携も進み、さらに欧米企業も参入して、生産性上昇、価格低下を通じて世界的に競争力のある企業が育って行く。これこそが自由貿易協定の動態的効果であり、上述の静態的効果を上回ると推定される。

  5. この動態的効果は、基本的には市場メカニズムを通じて実現される。しかし日韓市場の真の一体化を実現するためには、租税条約、投資協定、通関手続き、その他の貿易円滑化措置、政府調達、基準認証、知的所有権等幅広い分野での日韓標準化・共通化を進めて、日韓間での商品・サービス・資金・人的交流を活発化させる必要がある。

    このような円滑化措置が日韓双方の企業に相互にビジネス・コンフィデンスを改善する効果を持つことは疑いない。これらの多くは「日韓経済アジェンダ21」に含まれ、両国間で交渉されることになっている。すでに租税条約は昨年11月に発効し、投資協定は交渉中である。

  6. これに加えて官民レベルでの産業技術協力もいっそう拡充される必要がある。1992年に発足した日韓産業技術協力財団は、韓国中小企業の産業技術・人材育成・生産性向上面で地道な成果を積み重ねてきている。これらの努力が上述の産業内分業分野にも拡充されることが望まれる。

    また漁業においても日韓の共通資源の共同管理と利用面での協力の余地が大きい。他方日韓商品・サービス市場の統合化に合わせた日韓の金融・資本市場の統合努力もなされなければならない。

    それなしでは日韓相互乗り入れによる競争促進も不十分に終わろうし、日韓企業提携も抑制される。さらに円・ウォン相場を安定させるような通貨面での協力も当然促進されるべきであろう。

  7. 日韓自由貿易協定研究提案にはアジア太平洋地域諸国を始めとして多くの国々が関心を寄せた。グローバル化の中では自身地域統合に係わりながらも他国の動きにセンシティブになる。これに対するわれわれのメッセージは次の二つである。

    第一は、日韓FTAは日韓経済緊密化を進める枠組みとして実施するものであり、日韓両国の経済を活性化し、アジア太平洋諸国・地域経済の活性化に直接貢献する。自由貿易協定は両国の自由化努力を強め、アジア太平洋地域の貿易自由化及び多国間通商システムの下での自由化への日韓のイニシャティブを強化しよう。

    第二に、日韓自由貿易協定はGATT/WTOの第24条とも整合的に実施する。

    現在日韓間で広範な円滑化措置や制度整備に係る協調が始まっているが、自由貿易協定は、これらすべてを包括する制度的枠組みであると同時に、個々の取組の最終目標を明示して努力を促し、日韓関係緊密化のモーメンタムを維持するためのビジョンである。

    それによって個別協定交渉が円滑に進むケースが期待される。このような観点に立てば、個々の取組と並行して自由貿易協定交渉を進め、早期に合意に達して、自由貿易協定の枠組みを提示することが望ましい。

    個別協定には、それまでに交渉が完了しないものがあろうが、それらはこの枠組みにおいて交渉の基礎が与えられ、更に交渉が加速されよう。

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5.金大中大統領の訪日

要人来日日程(平成12年)

金大中大統領の訪日(評価と概要)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/yojin/arc_00/korea_hn.html
平成12年9月24日


  • I.全般的評価及び主要日程

    • 1.全般的評価

      • (1)98年10月の金大中(キム・デジュン)大統領訪日以来の幅広い協力の進展を踏まえ、文化・国民交流や、経済面での協力につき実り多い意見交換を行うことができた。

      • (2)また、南北首脳会談後の朝鮮半島情勢における新たな展開を受けて、対北朝鮮政策についての日韓米三ヶ国の緊密な連携を改めて確認した。

      • <略>

  • II.日韓首脳会談の概要 (含む首脳朝食会)

    • 1.日韓関係

      • (1)日韓関係総論

        両首脳は、98年の金大中大統領の訪日以来、日韓関係が極めて良好に推移し、日韓共同宣言及びその付属の「行動計画」並びに「日韓アジェンダ21」が着実に進展していることを確認するとともに、21世紀の日韓新時代を築いていくことで一致。

      • (2)経済分野の協力

        • <略>

        • (ニ)自由貿易協定(FTA)日韓双方の国内で今後とも十分な議論が行なわれることが重要との点で一致。そのような観点から日韓FTAビジネスフォーラムの設立を歓迎することで一致。

  • III.日韓外相朝食会の概要

    <略>

    • 4.FTA

      FTAの問題については、WTO新ラウンド立ち上げの重要性も念頭におき、WTOとの整合性に留意しつつ、両国国内で議論を重ねていくことが重要である点で一致。


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6.経団連声明:日韓産業協力の新たな発展に向けて

日韓産業協力の新たな発展に向けて
2001年11月20日(社)経済団体連合会

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2001/055.html

対韓経済交流を顧ると、わが国企業は1965年の日韓国交正常化の前後から、韓国企業との間でさまざまな協力関係を構築してきており、両国間で活発なビジネスを展開している。昨年の日韓貿易は、米国、中国、台湾に次ぐ第4位の規模(約510億ドル)に達している。

もとより経団連では、日韓企業の自由な経済活動がそれぞれの経済や両国経済関係の発展に資するとの観点から、両国のビジネス環境の整備やそのための枠組みについて、全国経済人連合会(全経連)はじめ韓国経済界と長年にわたって意見交換を図ってきた経緯がある。

最近の日韓関係を見ると、1998年10月と2000年9月の金大中大統領の2度にわたる訪日を契機に、両国は新たなパートナーシップの構築に向け、日韓の自由貿易協定(FTA)の可能性をはじめ、未来志向の建設的な議論を行っている。

かかる背景の下、経団連は昨年10月、全経連との間でFTAの可能性も視野に入れつつ、新しい世紀における今後の日韓産業協力のあり方について相互に検討することとし、本年1月より「日韓産業協力検討会」を設置して議論を重ねてきた。

その結果、経団連としては、今後の日韓産業協力と日韓FTAについて次のような結論を得るに至った。すなわち、

日韓両国は東アジアの先進国として、アジア経済の今後の発展を牽引する重要なパートナーであり、今後さらに産業協力を進展させるべきである。

FTAは日韓の産業協力を加速させ、両国経済や両国経済関係を活性化させる有効な手段であり、日韓FTAは広範な経済的連携を目指す包括的なものとすべきである。

日韓FTAは、未来を志向する日韓関係全般にとっても意義あるものであり、21世紀の両国関係を象徴するものとして早期に締結すべきである。

以下は、日韓産業協力の現状と今後の可能性、日韓FTAのあり方、ならびに今後の課題についてのわれわれの考えである。

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1.日韓産業協力の現状と今後の可能性

(1)現状

対韓ビジネスの現状を概観すると、電機・電子・通信、精密機器、自動車、鉄鋼をはじめとする主要分野で技術提携、部品の供給、製品の共同開発、第三国での協力などが行われており、相互依存関係が形成されている。また、わが国企業の中には、韓国企業と40年近くにわたって協力してきた事例があるほか、最近では両国企業による戦略的な提携が行われている。

韓国でのビジネスを取り巻く環境については、韓国のOECD加盟(1996年)、アジア通貨危機の発生とIMFの韓国支援(1997年)を契機に、輸入先多角化制度など、これまで外国企業の活動を制限してきた貿易・投資に関する諸制度が廃止されるとともに、外国人投資促進法が新たに制定され、改革が実現している。その結果、日韓産業協力が促進される環境も整備されつつある。

しかしながらその一方で、産業協力を進める際に日本企業が直面する問題として、労働問題や貿易投資に関連する諸手続きの煩雑さが指摘される。労働問題については、IMFによる支援を契機に整理解雇制など制度面での改善が見られるものの、日本企業にとっては依然として対韓ビジネスの大きな阻害要因である。


(2)今後の可能性

今後の日韓産業協力に関しては、後掲の資料に示したとおり、業種により差はあるものの、総じて協力関係の進展が見込まれる。

特に、電機・電子・通信、鉄鋼の分野では、両国の技術レベルが世界のトップクラスにあり、国際市場で激しく競争する一方、部品、原材料の供給などで緊密な協力関係が構築されている。日本企業が世界戦略を展開する上で、商品の共同開発、部品、原材料の調達、製品の相互融通などで韓国企業はますます重要なパートナーとなり、先進国型の水平分業の最も典型的な業種となることが予想される。

他方、韓国の輸入先多角化制度により実質的に対韓輸出ができなかった自動車やAV製品などについては、1999年の同制度の撤廃に伴い日本企業の現地法人の設立が始まっている。

また、韓国企業の対日進出も徐々に進んでいることから、今後、双方の市場で新たな日韓協力のネットワークが形成される可能性も期待される。さらに、セメントなど建設資材の分野では、日韓中の三国による北東アジア域内の供給体制を構想するものもある。

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2.日韓FTAのあり方

(1)貿易自由化をめぐる情勢

世界経済は、グローバル化のうねりが高まる一方で、EU(欧州連合)やNAFTA(北米自由貿易協定)に代表される地域経済統合の流れが加速している。特に1990年代後半以降、FTAの締結数が増大している。

わが国においても、WTOでの多角的通商交渉を補完するものとして、FTAを締結する機運が高まっている。具体的には、シンガポールとの間で年内を目途に「日本シンガポール経済連携協定」を締結することとしているほか、メキシコとの間では「経済関係強化のための日墨共同研究会」が設置され、本年9月から、FTAの可能性も含めて包括的な話し合いに入っている。

現在、アジアでOECDに加盟しているのは日本と韓国のみであるが、WTO加盟に伴い中国の経済的プレゼンスが今後さらに高まるものと予想される。また、昨年11月にはシンガポールでASEANプラス3(日本、中国、韓国)の首脳会談が開催され、東アジアにおける自由貿易圏構想が提起されるなど、地域レベルの協調を目指す新たな動きも見られる。

日韓両国は今後とも、アジア経済の発展を牽引する重要なパートナーであり、日韓の産業協力のあり方は、かかる世界経済のダイナミズムの中で考える必要がある。


(2)日韓産業協力とFTA

両国企業の間ではかねてより緊密な協力関係を構築し、活発なビジネスを展開してきている。二国間の産業協力の発展は、両国企業の創意工夫に基づく事業活動の積み重ねによるものである。

しかしながら、個々の企業では克服できない制度的な障壁(例えば、関税、規制など)については、政府ベースでの解決が必要とされる。

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FTAによって

(1)関税の撤廃、サービスの自由化、投資の自由化などによる市場拡大・貿易促進、その結果としてのビジネスや経済の活性化、

(2)両国の諸規制の調和、すなわち規制の撤廃・緩和を通じた高コスト構造の是正や、国内の構造改革などが期待できる。

FTAにより、両国企業間の競争が激化することが予想されるが、競争の過程において戦略的な提携の事例も拡大し、産業協力が一層進展するものと考えられる。FTAは日韓間の産業協力を加速する有効な手段である。


(3)包括的なFTAの必要性

日本企業の中には、関税撤廃のメリットもさることながら、日韓双方の国内制度の改革を通じた産業競争力の強化をFTAに期待する声が大きい。従って、日韓FTAは、単に関税撤廃に止まらず、包括的なFTAとすべきである。

具体的には、後掲の資料に示したとおり、労働問題(労働者に過度に有利な諸制度や慣行の是正など)、基準・認証制度の統一化や相互承認、貿易関連諸手続きの簡素化・効率化と電子化、投資ルールの整備、人の移動に関わる制度(ビザ取得に関わる書類・手続きの簡素化など)、問題発生時の支援制度、知的財産権の保護などを盛り込むべきである。

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3.今後の課題

実際のFTA交渉に入った際に避けて通れない課題は、農林水産品に代表されるセンシティブ項目の取扱いである。農林水産品を例に取れば、韓国からの輸入に占めるシェアは約10%と高く、この分野が例外扱いとなると、実質的に全ての品目の自由化を行うというWTOルールとの整合性の問題が生じる。われわれはこうした分野の問題を、わが国全体としての通商戦略の下、自由化による市場開放と輸入拡大が国民の大多数の便益を増進させるという認識に基づき克服すべきであると考える。

また、韓国産業界ではFTAを締結したとしても、短期的には日本側だけが目に見えるメリットを享受し、対日貿易赤字が更に拡大するとの懸念が根強く、FTAの効果を疑問視する声が少くないときく。しかしながら、日韓FTAが韓国の規制改革の推進に資し、長期的に韓国産業界の国際競争力強化にもつながる点に留意し、両国経済界は協定締結に向け努力していく必要がある。

日韓FTAは、未来を志向する日韓関係全般にとっても意義あるものであり、21世紀の両国関係を象徴する意味からも、早期に締結すべきである。

以上

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7.日韓FTAの実現のための共同宣言文

日韓FTAの実現のための共同宣言文
2002年1月25日


http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/asia/korea/data/kyodo_sengen_020125.pdf

日韓・韓日FTAビジネス・フォーラムは、2002年1月25日に東京で第2回合同会合を開催し、両国間の自由貿易協定(FTA)について、以下のとおり合意した。

・日韓両国は今後も東アジアの産業・経済の安定的な発展を先導するパートナーとして協力・連携を図っていくべきである。そのためには、日韓両国の産業・経済は今後一層緊密な関係を構築していく必要がある。日韓FTAは、その手段として極めて有効であり、今後早期に実現を図る必要がある。

・日韓FTAは、両国間における企業活動の円滑化を図るために、関税引下げや企業活動に関わる各種制度の調和や、様々な分野での経済協力・連携を推進する内容を取り入れた包括的な経済連携協定をめざすべきである。これにより、両国の産業競争力の向上が図られ、両国の構造調整も促進される。

・日韓FTAの実施によりマイナスの影響を大きく受ける恐れのある分野が両国ともに存在する。こうした産業の取扱い等については十分に配慮し、必要な措置を講じる必要がある。しかし、短期的な視点でFTAの内容を限定的なものとすると、経済活性化というFTAの本来のメリットを十分に発揮できない恐れがある。このため、FTAのマクロ的なメリットと個々の事情との間の調整を国民全体の立場から大局的に判断すべきである。

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・未来を志向する日韓関係において、両国は、東アジアの先進国としてアジア経済を牽引する重要なパートナーとしての役割を今後も担っていくべきである。日韓FTAは、当面日韓両国間における締結を目的として推進するが、将来においては中国、ASEANなど東アジア地域の産業活動の緊密化と安定的な発展基盤の形成に向け、これらの地域との経済統合を視野に入れたものをめざすべきである。

・日韓FTAの実現に向けて、両国政府における協議が早急に開始され、締結されるために、両国政府に対して最大限の努力を期待する。

・民間サイドにおいても、ワールド・カップの日韓共同開催に向けて協力・連携の気運が一層高まってきている。今後もこのような動きを強化していくとともに、FTAの実現に向けた両国政府の取組みに対して積極的に協力を行う必要がある。

・両国のFTAビジネス・フォーラムは、本提言に関連してこれまでに議論を重ねてきた結果を取りまとめた報告書をそれぞれ作成し、本提言とともにそれぞれの政府に提出する。

日韓FTA ビジネス・フォーラム   韓日FTA ビジネス・フォーラム
      座長 牛尾 治朗           座長 朴 容晟


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8.日・韓首脳会談後の共同記者会

日・韓首脳会談後の共同記者会見

平成14年3月22日
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2002/03/22kyodo.html

【冒頭発言】【金大中大統領】<略>

我々は、両国間の未来志向の経済協力関係をさらに深めるため、本日署名した投資協定を早期に発効させるために努力し、日韓自由貿易協定につき協議するための産官学共同研究会を設立することとした。<略>

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