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ヨハネス・ブルグサミット(WSSD)に関する特設ページ

第7回学習会 10月6日(日) 
「ヨハネスブルクからの出発!」開催します。(終了しました)

<目次>
情報源・声明など
リンク集
ヨハネスブルグ・サミット準備会合の政府報告
ヨハネスブルグサミット(WSSD)準備委員会 議長ペーパー
議長ペーパーへのコメント
(AMネット川上提出)

情報源・声明など

地球の友インターナショナル プレスリリース
 「正しい問いへの誤った解答?」


地球の友・インターナショナル 市民社会声明  (日本語) (英語)
 (AMネットも賛同しているWSSDにむけての声明です)

ドーハからヨハネスブルグまでの道のり(日本語) 
  Victor Menotti さん (International Forum on Globalization)

行動計画で非公式会合 環境・開発サミット (南アで共同通信ニュース速報)


リンク集
・環境省・環境Goo・地球環境パートナーシッププラザ/オフィスが協働で
 WSSDの情報提供をするウェブサイトを開設しています。(日本語)
ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム(日本語)
気候ネットワーク<ヨハネスブルグ・サミットに向けての特設ページ>
A SEED JAPANのWSSDのサイト
リオ+10 ヨハネスブルグサミットのための市民社会の準備(英語)
第三回WSSD準備会合の文書(英語)


議長ペーパーへの修正コメント入り文書(英語)
Working Group Papers:
Working Group I: Compilation Text, Chapters I,II,III & IV
Working Group II: Compilation Text, Chapters V, VI, VII, IX
Working Group III: Sustainable Development Governance
ニューヨークで開催されていたヨハネスブルグ・サミット準備会合の政府報告です。
 ・外務省の報告
 ・環境省の報告

アースディ2002キャンペーン参加企画ヨハネスブルクサミットに向けて!
 第6回学習会
 7月24日(水)(終了しました)
 第5回学習会 6月29日(土)(終了しました)
 第4回学習会 5月12日(終了しました)
 第1回目学習会 3月2日(終了しました)
 第2回学習会 4月6日(終了しました)
 第3回学習会は4月21日(終了しました)

ヨハネスブルグサミット(WSSD)準備委員会 議長ペーパー (英文 日本文

 この文書は、第2回のニューヨークでの準備会合での議論をまとめたものと位置付けられており、サミット準備委員会のサムリ議長がまとめたものです。
 この提案内容について、3月末の第三回準備会合(3/25〜4/5 ニューヨーク)で政府間交渉が行われます。外務省によると、「サリム議長が会議最終日に提示した議長ペーパーは、サミット合意文書の基礎となるものであり、2002年3月の次回(第3回)準備会合において、その内容について政府間の交渉が本格的に行われる 」とされています。ご覧下さい。

2002年5月9日に新議長テキストが出されました。(英語)

パブリック・コメント 3月8日まで(終了しました)
 ヨハネスブルグ・サミットで合意予定の世界実施文書(Global implementation document) のタタキ台となる「議長ペーパー」へのパブリックコメントを環境省・外務省で受けつけています。この議長ペーパーにはWTO、水問題、木材違法取引問題、持続的農業、農業貿易自由化、貧困問題、ODAなど様々な問題が取り上げられています。

議長ペーパーへのコメント
AMネット事務局長 川上が、外務省・環境省に送ったコメントです。

概要編
全文



環境省 wssd@env.go.jp
外務省 kokukan@mofa.go.jp

担当者様

 WSSDでの、議長ペーパーに対する意見 概要編

氏名:川上豊幸
住所:大阪市北区国分寺1−7−14国分寺ビル
AMネット(APECモニターNGOネットワーク)
電話番号:06−4800−0888
電子メールアドレス:apec-ngo@mxa.mesh.ne.jp 事務所
           

議長ペーパーへのとりあえずのコメント

 細かい文章レベルでの添削作業については、後ほど送付しますが、とりあえず簡単なコメントを送付します。

 いくつかの項目については評価できる部分もある一方で、不十分であったり、大きく認識を異にする点があります。特に、問題なのは、「V.グローバル化している世界における持続可能な開発」や、「IX.実施手段」の「資金」「貿易」の項目で、以下のような問題点があると考えられます。

●相対的に、評価できる点としては、10の「国際市場への過剰依存を縮小する」、「12.貧困層が土地・水資源やその他の農業投入物を入手できるよう促進し、土地固有の共有的資源管理システムを認識・促進するように借地制度の改善を推進する」19.(e)の「企業責任と企業の説明責任を拡大する」これは、(e)とするのではなく、一つの項目へと格上げすべきです。

80.「特に女性、貧困層、先住民コミュニティーで生活している恵まれない人々のために、明確に定義され執行可能な土地に関する権利と土地所有の法的な保証を推進し、土地、水、その他の天然・生物資源への平等なアクセスを保証する」

163.「変動の激しい短期資本移動の管理における役割だけでなく、国際金融機関の貸出政策も改善する。その目的は、この政策と役割が開発途上国の持続可能な開発という目標に対して整合性を保ち、矛盾しないようにすることである」、

172.「経済の多様化と持続可能な資源管理のための国際支援を含め、一次産品依存型の国々が抱える問題に取り組む」

などの項目については、特に強調し、文章として残し、あるいは、さらに、この方向性を強化する必要性がある。

●それ以外の問題点は、非常に多いために、時間的な制約のために、後ほど送付しますが、概略的な見解を述べておきます。


貧困問題への対応としてのDevelopmentの有り方

 この議長ペーパーの中では貧困問題などが重要課題として取り上げられてはいますが、これは評価できる重要な点です。

ただ、そのための対応策とも位置付けられる「開発」や「貿易」の有り方への問いかけや、その見直しを行い、それらが貧困対策や環境への対応として適切なものかどうかや、あるいは、その開発・発展の中で、Sustainability(永続可能性、環境的持続可能性)がどのように考慮されるのか、不十分で、ここで主張されている開発によって、さらなる貧困を引き起こしかねないと危惧を抱きます。

 よって、この開発による貧困化及び環境の不可逆的破壊を予防し、阻止するための法的・政策的措置を通じた厳正なる対処を取ることに合意する必要があります。
これは、実施方法としての、貿易、開発、資金の使途、技術移転、科学及び教育、能力開発、などに関して包括的に適用し、配慮されるべき点であると考えるので、そのための文章挿入が必要である。


貿易の位置付け

「貿易」の位置付けも、Sustainablitiyに寄与するかどうかは、さておき、とにかく輸出を拡大し、開発と経済成長への寄与を優先し、そうした開発と経済成長を進めれば、貧困も解決するというような非常に楽観的な思考で書かれています。

輸出拡大による途上国内での問題(貧困の拡大や環境劣化の可能性、経済社会の歪の拡大の可能性)については、全く不十分だと思います。

 開発のあり方を、どのような形態にするのかが中心的課題となるべきだと考える。たとえ輸出、投資、開発によって所得の拡大が行われたとしても、それらの環境保全のために利用可能な資金が得られたとしても、それらの資金が環境保全に利用されるとは限らないし、何ら有効な保証にもならない。

むしろ所得の拡大が、特定部門の所得・資産の集中や、利権の集中や、消費の拡大を招き、一方では、新たに環境劣化と貧困を招く可能性も否定できない。

つまり、これらの所得の拡大なり、成長なりが環境破壊を招かず、貧困をも引き起こさないような歯止めを、どのように制度デザインとして保証するのかを議論していくべきだと考える。


政府開発援助のターゲットと有り方とガバナンス

 ODAについても、量に関する議論はあっても、その質(Sustainability、貧困への寄与、不正流用の防止などの制度改革)を問う面が非常に弱いと考えます。

特に、これに関連してガバナンスについては、議長ペーパーの中に項目としては掲げられているものの、内容については未提案となっており、このガバナンスに関連した議論は、重要なものであり、きちんとガバナンスの重要性とその手法に関する議論を深める必要があると考えます。

 これは上述した実施手段において共通の問題点として掲げられるものでもあり、開発政策、貿易政策、援助政策、技術移転政策、能力開発政策、科学・教育政策、資金調達・支出政策のすべてに渡り、関わる問題であり、先進国と途上国の双方での共通課題として重視すべき項目であると考える。

持続可能でない生産消費形態変更のための責任と手法の明確化

 一方で、なによりも問題なのは、「III.持続可能でない生産消費形態の変更」において、(多国籍)企業責任の明確化、実質化については、若干触れる程度でしかなく、また、先進国側の生産・消費・廃棄のあり方に関する責任や改善方針についも不十分であり、その意味で、地球環境への影響責任を考えたとき、非常にバランスを欠いていると言わざるを得ません。

 これらの基本的な問題設定に従って、個別文章に関しても、修正、改善点を指摘したいと思います。


実施手段としての税制措置も重要な実施手段となると考えられる。
 所得と資産の集中や貧困の拡大や定着化の阻止と財政資金確保のための有効なツールとしての累進課税制度の拡大や、相続税制措置の強化を主張すべき。ただ、文化的資源や天然資源資産の保全の観点から、この相続税の例外措置も重要となる。

つまりこれらの資産の保全を条件とした相続税の減免措置を実施して、開発による資金捻出インセンティブを抑制すべきである。ただ、これらの政策が有効であるためには、政府の腐敗の排除が必須となる。
また炭素税などの逆進性への配慮を伴った環境課税措置も重要なツールである。




ヨハネスブルグサミット準備会合への提言

大阪市北区国分寺1−7−14国分寺ビル6F
川上豊幸
電話:06−4800−0888
電子メール:apec-ngo@mxa.mesh.ne.jp


■まずは、いくつかの相対的に、評価できる点としては、
●10.の「国際市場への過剰依存を縮小する」、
●「12.貧困層が土地・水資源やその他の農業投入物を入手できるよう促進し、土地固有の共有的資源管理システムを認識・促進するように借地制度の改善を推進する」
● 19.(e)の「企業責任と企業の説明責任を拡大する」これは、(e)とするのではなく、一つの項目へと格上げすべきです。以下に別途指摘しています。
● 80.「特に女性、貧困層、先住民コミュニティーで生活している恵まれない人々のために、明確に定義され執行可能な土地に関する権利と土地所有の法的な保証を推進し、土地、水、その他の天然・生物資源への平等なアクセスを保証する」
● 163.「変動の激しい短期資本移動の管理における役割だけでなく、国際金融機関の貸出政策も改善する。その目的は、この政策と役割が開発途上国の持続可能な開発という目標に対して整合性を保ち、矛盾しないようにすることである」、
● 172.「経済の多様化と持続可能な資源管理のための国際支援を含め、一次産品依存型の国々が抱える問題に取り組む」などの項目については、特に強調し、文章として残し、あるいは、さらに、この方向性を強化する必要性がある。

■一方で、以下は、議長ペーパーに関する問題点です。
 「開発政策による貧困化」と「環境の不可逆的破壊」さらには、「環境政策による貧困化」を予防し、阻止するためには、様々な政策の事前評価システムを実施し、こうした事態が引き起こされないようにするための、政策立案プロセス確立のため拘束力のある形で、法的・政策的措置を通じた対処を取ることに合意する必要があります。

また、それらの決定のためには民主的参画プロセスが不可欠となります。またこれらの民主的参画の前提条件には、十分な情報公開と意見表明のための安全確保が保障されている必要性がある。

 こうした観点は、X.ガバナンスにも繋がる議論ですが、実施方法としての、「貿易」、「開発」、「資金の使途」、「技術移転」、「科学及び教育」、「能力開発」などの項目のすべてに関して包括的に適用し、配慮されるべき点であると考えるので、そのための文章挿入が必要である。

とくに、これらのすべての実施手段において、それらの手段の実施が、貧困と環境劣化に対してどのような影響を引き起こすのかを先験的に独断するのではなく、一つ一つを吟味し、貧困化と環境劣化を引き起こさないような歯止めや、事前チェック、持続可能な発展を促進するための条件付け、スクリーニングを行う必要があると考える。

つまり「貿易」、「開発」、「資金の使途」、「技術移転」、「科学及び教育」、「能力開発」などの手段は、単に拡大すればいいというものではなく、環境保全を進めるか、少なくもと劣化を進めず、貧困を拡大しないか、貧困解決を促進する形で、持続可能な発展を促進するものであることを条件として付する必要があることを大前提として主張しておきたい。

 よって、先進国の援助政策、貿易政策、投資政策らが統合的に環境保全と貧困対策を促進こそすれ、悪化させないような防止措置を実施し、こうした問題に、十分配慮した上で財政・技術援助を行う必要がある。

で、リオ宣言では、
「現代の開発は、現在及び将来の世代の開発および環境上の必要性を損ねてはならない。」
「各国は、自国の資源を開発する主権的権利を持つが、自国の管轄権の限界を超えた地域の環境に害を与えてはならない」
「各国は、国際法の原則にのっとり、自国の支配下における活動が、自国管轄権の限界を超えた地域の環境に害を与えた場合、賠償しなければならない」
「各国は環境を保護するため、予防的方策を講じなければならない。深刻な、あういは回復不可能な被害があった場合には、環境悪化を防止するための費用対効果の大きい対策を延期する理由としてか科学的確実性の欠如をあげてはならない」
「持続可能な開発を達成するため、環境保護は、開発過程の完全な一部でなければならなず、それから離れては考えられない。」
「各国は地球の生態系の健全性および完全性を、保全、保護及び回復するため協力しなければならない。先進諸国は、彼らの社会が地球環境へかけている圧力、および彼らの支配している技術及び財源の観点から、持続可能な開発の国際的な追求に関し負っている義務を認識する。」
「各国は、効果的な環境法を制定しなくてはならない。また、汚染、その他の環境悪化の被害者への責任に関する国内法も制定しなければならない。各国は、権限のある国家機関の決定に服する活動について、その活動が環境に重大な悪影響を及ぼすかもしれないので、環境影響評価を実施しなければならない。」

アジェンダ21の第二章「開発途上国の持続可能な発展を促進するための国際協力と関連国内政策」のセクションI.社会的・経済的側面、プログラム分野「A.貿易を通じた持続可能な開発の促進」の目標2.9.(d)には、「経済成長と環境保護が相互に支え合うような国内的・国際的政策を促進・援助すること」
また、行動2.10.(d)持続可能な発展に到達するために、環境政策と貿易政策が相互に支え合う関係を確保すること。2.14.(c)一次産品価格形成に、環境・社会及び資源コストの反映を含む、生産要素の効率的かつ持続可能な利用を反映させること。
 「B.貿易と環境の相互支援」の目標2.21(a)「持続可能な発展の役に立つように、国際的な貿易・環境政策を相互扶助的なものとすること」
行動の2.22(a)持続可能な発展の促進のための貿易と環境の関係をより正しく理解するための適切な研究を綿密に行うこと
(c)環境に関連した貿易措置が行使される場合には、透明性と国際責務との適合性を確保すること、
(f)健康・安全の基準に関連したものを含む環境関連の規制もしくは基準が、貿易において、独断的で、不当な差別、あるいは偽装された制限などの手段にならないことを保証すること」
(k)それぞれの国特有の条件に照らして、向上した透明度を助長する一つの手段として、貿易政策の形成・交渉・実施における公衆からの意見聴取を確保すること。
 以上が貿易関連事項。

また、アジェンダ21においては、
D.持続可能な発展を誘導する経済政策の奨励の行動(a)運営に関連した活動の
●2.35.の(a)「特に通貨の安定、実質利子率及び主要為替レートの変動に関する、安定的で予測可能な国際経済環境を支援すること。」
●2.37.(f)「効果的な税制と財政部門の運営を促進すること」(g)「農家・非農家にかかわらず、小規模企業、並びに先住民、地域社会に対して、持続可能な発展の達成に十分に貢献するための機会を提供すること。」(i)「国内向け生産と輸出市場向け生産間の最適バランスを支える国内経済環境の創造を促進すること。」
(b)国際的及び地域的な協力と調整の2.39.「国際金融開発機関は、持続可能な発展の目標に照らして、その政策・プログラムにさらに再検討を加えるべきである。」
 という内容が示されている。

 このように、上記、リオ宣言及びアジェンダ21にも掲げられているように、環境政策および貿易政策は持続可能な発展を助けるものでなければならない。また、環境保全のために必要である場合には、明示的に正当に必要な貿易制限措置を実施し、環境政策と貿易政策を相互補完的なものとしなければならない。またそのための貿易自由化政策による環境・貧困レビューとアセスメントを行う必要性がある。


貧困問題への対応としてのDevelopmentの有り方と貿易の位置付け

 この議長ペーパーの中では貧困問題などが重要課題として取り上げられていること自体は、評価できる重要な点です。ただ、そのための対応策とも位置付けられる「開発」や「貿易」の有り方への問いかけや、その見直しを行い、それらが貧困対策や環境への対応として適切なものかどうかや、あるいは、その開発・発展の中で、Sustainability(永続可能性、環境的持続可能性)がどのように考慮されるのか、不十分で、ここで主張されている開発によって、さらなる貧困を引き起こしかねないと危惧を抱く。

 「貿易」の位置付けも、Sustainablitiyに寄与するかどうかは、さておき、とにかく輸出を拡大し、開発と経済成長への寄与を優先し、そうした開発と経済成長を進めれば、貧困も解決するというような非常に楽観的な思考で書かれている。輸出拡大による途上国内での問題(貧困の拡大や環境劣化の可能性、経済社会の歪の拡大の可能性)については、全く不十分である。

 問題は、開発のあり方や貿易のあり方を、どのような形態にするのかが中心的課題となるべきだと考える。たとえ輸出、投資、開発によって所得の拡大が行われたとしても、それらの環境保全のために利用可能な資金が得られたとしても、それらの資金が環境保全に利用されるとは限らないし、何ら有効な保証にもならない。

むしろ所得の拡大が、特定部門の所得・資産の集中や、利権の集中や、消費の拡大を招き、一方では、新たに環境劣化と貧困を招く可能性も否定できない。つまり、これらの所得の拡大なり、成長なりが環境破壊を招かず、貧困をも引き起こさないような歯止めを、どのように制度デザインとして保証するのかを議論していくべきだと考える。

 よって、「V.グローバル化している世界における持続可能な発展」の項目の中に以下の項目を挿入する。

● 「貧困を助長し、環境を劣化させ、持続可能性を喪失させるような貿易自由化は行わない。
つまり、貿易が、Sustainable Developmentを促進し、環境劣化や貧困拡大、あるいは廃棄物増加を助長しないような政策と貿易ルールの構築を行い、貿易・投資の自由化によって促進される経済開発が貧困の発生や各国内の地域での持続可能性をを引き起こさないようにする。
また、これらの貿易自由化が、地域資源を地域社会のために有効に利用する生活様式や生活慣行を阻害しないことを確保する。」

● そのために、「貿易・投資自由化に関する環境審査を自国の影響を考慮するのみならず、他国での影響を考慮する形で実施し、地球社会の持続可能性への責任を果たすためのレビューとアセスメントのプロセスを早急に導入し、貿易・投資政策の立案については、幅広いステークホールダーの意見聴取とともに、環境社会レビューを実施し、貧困の助長や、現在と将来の環境劣化のコストを、十分に考慮し、地球社会の持続可能性を悪化させないような配慮を行う必要性がある。
そして、各国は、効果的な環境保全と環境保護を実施するために、貿易自由化に関する環境審査に基づき、貿易の自由化が社会環境的な悪影響を及ぼさないような国内法を整備する必要がある。またそのための技術的、財政的支援を行う。」

● 「特に、先進諸国は、彼らの社会が地球環境へかけている圧力、および彼らの支配している技術及び財源の観点から、持続可能な開発の国際的な追求に関し負っている義務を認識し、この環境審査においては、単に現在の国内環境への影響のみならず、他国及び将来世代を含め、地球の生態系の健全性および完全性を、保全、保護、及び回復することを含めて行う必要がある。」

● 「こうした圧力を軽減し、実質的に地球全体への負荷を軽減するために、各国での環境法や環境アセスメント手続きとともに住民参加の手続きの整備を進めると同時に、貿易が国内の環境規制の導入を阻害しないようにするための貿易規制措置(環境割当関税・環境非関税措置)を可能とするよう貿易ルールを改正交渉の議論を開始する。」

● 「貿易政策の形成、交渉、実施には民意が反映され、公衆からの意見聴衆が行われ、意志決定に十分に反映されなければならない。この場合の民意については、特に、貧困層、小規模農民、女性、未組織労働者、環境的配慮を有する一般市民、将来世代の利害など、これらの見逃されやすい人々の利害を代弁するNGOの主張などを、現存する企業利害やこれらの企業利害による不当な圧力とは区別した上で、きちんとバランスさせ、聴取することが求められる。」

●「環境目的のための関税・非関税障壁を含めた貿易政策の有効性を予断なく検討し、透明な意志決定プロセスの中で、広く意見聴取を行い、事前評価を含めて、十分な説明を行い、他の手段よりも有効な場合には、導入を検討する。」

●「先進国側による開発途上国の貧困解決支援や発展支援を装った偽装した環境責務の放棄を止める。貧困化を進めたり、資産の集中化を進めてしまう開発のみを優先するような『偽装された』環境軽視の貿易政策では、環境悪化を進め、実は貧困拡大を進める場合すらあり、持続可能な発展に寄与しないことも考えられる。」

●「必要な場合には環境のための貿易制限政策も導入され得ることを確認する。」

● 「環境被害を引き起こした企業の責任及び国家の責任を追求し、国際的な賠償請求が可能となるように、環境被害に関する賠償請求を行いうる国際法の制定を提案する。国連人権委員会のように、国連の中に環境問題に関する国際的な裁定機関を設置し、個人資格で提訴できるようにする。」

●こうした大きな課題に集中的に取り組むために、「各国の環境関連法制の促進を目指し、そのための世界環境機関(WEO)の創設を提起する。」

● 特に、「WTOは、交渉プロセスの透明化を進める。そのために、特に、開発途上国や小国の意志決定プロセスへの適切な参画を確保、また交渉の進め方におけるルールづくりを進め、意志決定に必要な情報の透明化と、意志決定プロセスの民主化を進める。また、国連での会合のように、すくなくとも大臣会合に関する市民・NGOによるオブザーバー参加を認め、交渉プロセスと意志決定プロセスの透明化を進める。
交渉プロセスの議事録化と、議事録の開示を行うことで、国家としての各国市民への説明責任と報告義務を果たし、またWTOとしての情報公開規律を策定する。」これは貿易をアジェンダ21に掲げられた内容に基づき、持続可能な発展へと結びつけるための重要な課題である。

●「WTOは、前文に自ら掲げる『環境を保護し及び保全し、並びにそのための手段を拡充することに努めつつ、持続可能な発展の目的に従って世界の資源をもっとも適当な形で利用することを考慮』するという文言を真に、実現するために、持続可能な発展を実現し、促進するような貿易ルールへの改正のため、貿易自由化が、消費拡大による廃棄物増加、温暖化促進、生物多様性の縮小などの環境劣化と貧困化、人権面での影響をどのような形で進めたのかをレビューする作業を開始し、これらの問題を回避するための代替ルールの検討を行う。」


「V.グローバル化している世界における持続可能な発展」の削除項目
101、102、103、 105、107、108、109、111、112を削除。

 理由は、これらは直接的に、貧困対策にも環境保全にも関連せず、よって、持続可能な発展の議論にそぐわないか、不十分であり、逆に開発による貧困化や環境劣化を招きかねない。

 106.については、特に、貧困と環境へのレビューとアセスメントを実施できるような協力を行うことなどが考えられる。

 109.については、これらの投資に関しては、環境劣化による貧困化を引き起こさないような歯止めがかかるように、源泉国は、海外投資に関する環境社会ガイドライン及び規制を企業と金融機関に関して行い、持続不可能な開発に関わる貿易や投資保険については優遇措置を撤廃するか、課税措置を行う。

 110.を削除し、安定した投資環境という名目によって、投資受け入れ国の労働権を抑圧することのないようにする。また、労働組合運動の抑制を条件にした自由貿易区の設定を容認しない。進出企業は、投資選好基準として労働運動等の有無を理由として、進出拒否したり、撤退する場合には不当な商行為として賠償金を支払う。

 114.115.については、これでは非常に弱いので、より強力な規制を実施し、企業の責任を確保するために、以下のような手法を導入する。


実施手段の貿易の項目について
上記と同様の理由によって、適切なアセスメントの実施体制への協力を進めることが先決であり、貧困化と環境劣化に関する歯止めを行えるような制度・政策デザインを考慮した上で、170.171.173.を検討するように修正すべきである。

特に、171.の国内助成措置については、環境保全を進めるための補助金や貧困対策を進めるための補助金など必要なものもあり、一概に段階的撤廃を行うことが、持続可能な発展を保障するとは思えないので、削除する。一方で、輸出補助金については、段階的撤廃を進める。


他の項目については、
22.の「貿易を歪める」を削除し、「持続可能でない生産・消費・廃棄形態を促進し、環境に悪影響を及ぼすような補助金を廃止し、必要な場合には持続可能な生産・消費・廃棄形態を促進し、環境に好影響を及ぼすような補助金の導入も考慮する。」に変更。

26.では、「これらの手段が貿易障壁にこじつけて利用されないよう」を削除し、「自主的なエコ・デザイン、エコ・ラベリング、その他の透明で、実証可能で、紛らわしくなく、消費者のための情報手段の普及を促進する。」に変更。

 実証可能で、透明性が確保されていれば、何ら問題ないし、逆に貿易を歪めるという理由で、ラベリングなどの情報提供手段が抑制されることは、逆に、消費行動を不当に歪め、実際には、こうした貿易への配慮が、消費者への十分な情報提供を抑制し、適切な選択を阻害してしまう。

消費者が必要と考えるが、外見などで簡便に判断できないものについては、適性なシステムの下で表示されたラベリングは、貿易を歪めることはないので、こうした懸念は不必要であり、十分で、適切な情報提供を徹底すべきである。


III.持続可能でない生産消費形態の変更の章について

 持続可能でない生産消費形態変更のための責任と手法の明確化が必要である。

 なによりも問題なのは、「III.持続可能でない生産消費形態の変更」において、(多国籍)企業責任の明確化、実質化については、若干触れる程度でしかなく、また、先進国側の生産・消費・廃棄のあり方に関する責任や改善方針についも不十分であり、その意味で、地球環境への影響責任を考えたとき、非常にバランスを欠いていると言わざるを得ません。

●「III.持続可能でない生産消費形態の変更」の項目に、「廃棄」プロセスを含めていくために、「III.持続可能でない生産消費廃棄形態の変更」とする。

● そして、「廃棄物発生抑制のため、廃棄コストの高い製品を生産する企業がその責任を負い、この廃棄コストを負担し、販売価格に転嫁することで、消費者に適性な価格表示を行うための政策を推進し、そのために必要な規制を導入する。」を追加する。これは、生産消費だけではなく廃棄に関わる形態も重要な項目であるので、これを明示的に示すためである。

●19.の文章から、企業の説明責任の部分を強調するために、別項目として追加し、「企業行動の説明責任の明確化と拡大策として、自らの商品の環境負荷情報を開示し、材料調達情報の開示をも進め、流通の透明化と、事後チェックを可能とする。」

● 76.の追加部分として、「生産性の向上においては、生産性の向上が環境負荷の増大や生態系へのリスクを増大させないような配慮を十分行い、短期的な生産性の向上を判断基準とするのではなく、長期的な生態系への影響や、社会的な影響を考慮し、新たな環境劣化や貧困化を導くことのないよう、予防原則に基づき慎重に進める。」を追加する。
生産性の向上は、環境劣化を、しばしば伴ってしまうことがある。よって、こうした問題への配慮を行うべきだから。

● 78.については、「効率性の向上」は削除し、代わりに、「生態系への配慮」とする。「農業関連企業に対する優遇措置」ではなく、「貧困層の農的生活に対する優遇措置を取る。」に変更。こうした効率性のみを優先することによって、環境劣化と貧困化を生んでいると考えられる。よって、農業関連企業へ優遇措置を行う必要はなく、むしろ、貧困層の生活を支持すべきであり、大きな問題をはらんだものである。
また、「農業は水を多量に消費するので、農業におけるより効率的な水利用は最も重要である。」という文言においても、この「効率的な水利用」の有り方が、近辺の水環境や生態系に大きな影響を及ぼす可能性がある。よって、効率的でありさえすればいいという考え方ではなく、流域全体としての利用のあり方を考える統合的アプローチを取るべきである。

短期的、局所的最適化が、長期的、広域的には最適ではないことがあることをきちんと認識すべきだと考える。

●貿易と同様に、経済政策に関する環境と貧困へのレビューとアセスメントを実施する。

民間企業活動の持続可能な発展に関するアカウンタビリティ強化

 「多国籍企業を含めて、企業の生産活動、流通活動、廃棄物処理活動、資金運用活動に関する透明性を強化し、企業の社会へのアカウンタビリティ(説明責任・報告義務)を強化し、汚染者負担原則の徹底と、環境被害及びリスクに対する挙証責任を負い、賠償・補償法制の整備を行いうるような国内法の整備を行う。

また、企業活動の環境リスクに関する予防原則を徹底するために、健康と安全、生態系の保全に関する規制の強化を進めると同時に、これらのコストの内部化を徹底する。
これらのコストには現在のリスク、過去の環境コストとともに将来の環境コストとリスクを含む。特に新規技術や化学物質の生態系、健康、安全へのリスクを、事前に評価し、必要な情報を開示する。

こうした評価作業が終了するまで、商業利用しない。また、多国籍企業などによる資本関係にある親会社は、子会社の企業活動が引き起こす環境汚染コストと補償に対する全責任を負う。」

●「融資・投資などを行っている銀行・保険会社などの金融機関は、貸し手の責任を負い、投資者としての責任を負う。貸出先企業プロジェクトの環境被害を予測し、持続可能性の観点から融資先を選別する基準を導入するための企業指針と審査プロセスとを導入して貸し手責任をまっとうする。」

● 「先進国の輸出信用や投資保険などの民間資金移転への公的資金支援は、開発途上国向けに限定するとともに、貧困解決や環境保全や回復を進める案件の支援に限定するように改善し、厳正な事前評価体制を確立し、透明な意志決定と評価プロセスを進めるために、情報公開を徹底し、持続性に影響を与えるような環境劣化や貧困化、人権面での悪影響を与えないことを条件とする。そのための制度確立を進める。」という内容を追加する。


実施手段 「資金」の項目について

 資金の議論についても、投入「量」に関する議論はあっても、その「質」(Sustainability、貧困への寄与、不正流用の防止などの制度改革)を問う面が非常に弱く、163.のみといっていい。

163.は、2つの項目が掲げられているので、2つに分割し、「変動の激しい短期資本移動の管理における役割を強化し、開発途上国の持続可能な発展という目標に対して整合性を保ち、矛盾しないように為替レートの安定化と適性化を図り、そのための手法としてトービン税や短期資本移動規制などの手法を検討する」

そして、「国際金融機関の貸出政策を、貧困化を決して引き起こさず、環境劣化を導かないことを確保できるように、開発途上国の持続可能な発展という目標に対して整合性を保ち、矛盾しないように改善する」とする。

 特に、これに関連してガバナンスについては、議長ペーパーの中に項目としては掲げられているものの、内容については未提案となっており、このガバナンスに関連した議論は、重要なものであり、きちんとガバナンスの重要性とその手法に関する議論を深める必要があると考えます。

156.は、「あらゆる資金源の中から、持続可能な発展に資金を提供する新たな追加的資金源の結集を促進し、提供される資金の全てが、有効に支出されるために、透明な決定と評価プロセスの下に、貧困化や環境劣化を引き起こさないことを確保するためのメカニズムを確立・強化し、持続可能な発展と、『アジェンダ21』の実施という文脈における、社会開発、環境保護に役立つよう保証する。

そのための制度・メカニズムづくり・強化のための資金導入を優先し、早急に整備する。」と変更し、「経済成長」を削除する。

157.や158.164に、「資金を持続可能な発展のために動員するため、貧困化や持続可能性を崩壊させるような環境劣化を引き起こさないことを確保し、透明な意志決定と評価プロセスのメカニズムを確立・強化した上で、」を文章の冒頭に条件付けする。

160.「限られた資金を有効に活用できるよう、被援助国と緊密に協力して、貧困化や持続可能性を崩壊させるような環境劣化を引き起こさないために、透明な意志決定と評価プロセスを確保するためのメカニズムを確立・強化を進めて、開発途上国と移行経済国へのドナー国の援助の調整を進める。」と「貧困化や持続可能性を崩壊させるような環境劣化を引き起こさないために、透明な意志決定と評価プロセスを確保するためのメカニズムを確立・強化を進めて、」を挿入する。


実施手段としての税制措置も重要な実施手段となると考えられる

 所得と資産の集中や貧困の拡大や定着化の阻止と財政資金確保のための有効なツールとしての累進課税制度の拡大や、相続税制措置の強化を主張すべき。

ただ、文化的資源や天然資源資産の保全の観点から、この相続税の例外措置も重要となる。つまりこれらの資産の保全を条件とした相続税の減免措置を実施して、開発による資金捻出インセンティブを抑制すべきである。ただ、これらの政策が有効であるためには、政府の腐敗の排除が必須となる。
また炭素税などの逆進性への配慮を伴った環境課税措置も重要なツールである。



以上