インドネシアの水資源:販売中!
翻訳協力 小久保 久美子さんInfo FRESHWATER インドネシアの水再構築問題での事実
インドネシア・ピープルズ・フォーラム(5月25日〜6月7日)のための特別版 第1巻 5月27日 2002年
グローバリゼーションに関するインドネシア・フォーラム(Indonesia Forum on Globalization) infog@bumi.net.id
航空宇宙局によると、1日1人あたり必要な清浄水は最低27.7リットルで、その内約1.6リットルが飲料水として、6.8リットルが体の洗浄に、後の残りは衛生面や食事の支度に使われています。
多数の投資家にとって、これらの数字は単なる数字ではなく、ビジネスチャンスなのです。AQUA(フランスの食品会社”ダノン”に株を支配されているるインドネシア最大のペットボトルウォーター会社)のような会社にとって、水は非常に大きな役割を果たしています。
仮にジャカルタの人口の半数が、(全人口は約1100万人)1日に必要な水の半分をAQUAの水を利用すれば、AQUAは1日で0.8リットル×1100万=8800万リットルもの莫大な量の飲料水を売る事になります。又リッター単位の利益が200ルピアだと仮定すると、1日の純利益は17.6億ルピアにもなるのです。(訳注:1円=約70ルピアで、1億ルピアは、150万円なので、17.6億ルピアならば2640万円。AQUAの1リットルのボトルが3000ルピア:40円程度)
PAM/PDAMのような水管理会社についても全く同じような計算ができます。このような会社の場合には飲料水だけでなく、洗浄や食事の支度用の水も扱っている為、その利益は更に高くなります。
故に、今IMF(国際通貨基金)や世界銀行、ADB(アジア開発銀行)のような国際金融機関(IFIs)が、共同でインドネシアの水資源再構築計画に必死に取り組んでいたとしても、何ら不思議はないのです。
IMFはインドネシアが、水資源の利用の増加により、収益を増やすよう圧力をかけています。しかし、これは大きな波紋を広げています。世界銀行のWATSAL (水資源調整貸付セクター)は、1998年に返済が全く望めないUS30億ドルの貸し付けを行なっているのです。この貸し付けは、支払い期限での返済のみならず、海外や国内の民間セクターの会社がインドネシアの水資源を自由に所有できるようにするものです。
投資家にとって興味深い会社になりつつあるインドネシアのPDAM社を、ADBは水事業の改革プロジェクトを通して奨励するために、インドネシア政府に融資を行なっています。数年前からインドネシアを襲っている経済危機を考慮すれば、インドネシアの投資家がこのような水企業を所有するのは到底不可能なことです。IFIによって設定された制限や融資条件は全て、インドネシアの水資源が海外の民間企業の手に渡るよう仕組まれているわけです。
インドネシアの大統領令の96/2000番(上記を述べたIFIsの圧力で同時期に作成された)でも、飲料水在庫管理会社や給水会社の全株式の95%までが入手可能、つまり海外の会社が買い占める事ができると述べています。更に悪い事には、水資源や灌漑計画におけるWATSALの目的の一つに、国レベルでの水文学や水質に関する持続可能な情報システムを提供するということがあるという事実です。海外の投資家がインドネシアでビジネスを展開するに当たり、このような情報が非常に役立つ事は明白です。
インドネシアで様々なビジネスを展開している外資系の会社は、最低でも平均5社はあります。この5社とは、バタムのバイウォーター(Biwater)社、ジャカルタにあるリヨネーズ(Lyonnaise)とイギリスのテムズウォーター(Thames Water)社、プカンバルーにあるCascal BV社、マナドのWateleiging Maatschappij Drenthe(WMD)社です。
リヨネーズ:
リヨネーズは、現在ジャカルタ西部半分の領域で給水システム管理、経営、保守、拡大を行なっている、フランスの最も大きい会社ですが、ブダペストの水システム管理において、悪しき経歴をもつ会社です。1998年12月、料金引き上げ案に対するコメント:”残念ながら、今日、これらの力のある外資系会社が、それらの資本を投下することを拒んでいるのは明らかであります。実際に、外資系企業は、この国から、出来る限り多額の管理費を稼いでいるのです。”(民間給水の非効率性、ハーグでの第二回世界水フォーラムにおけるPSI要約文書,2000年3月17〜22日)バイウォーター社
25年の営業権の認可に基づいて、バタムですでに営業している会社は、土木工事や、それに関連する製造業を主な業種としています。この会社は世界中で取引きがあり、水分野やサービス業の分野は売上高の約15%を占めています。(バイウォーター社、デイビッド・ホール、PSIRU(公共サービス国際研究所)、1998年5月17)この会社は12年前までは給水システムの業務は行なっていませんでした。
1998年5月の公益事業週間に、この会社のオーナー兼会長であるアドライアン・ホワイト氏は”水の営業権というものは会社にとって利益はあるが、一般市民にとっては無意味である。特に一般にBOOT契約として知られている、民間企業が水システムの資金調達、建設、経営を実施するために、水や下水設備について営業権が与えられる場合、無意味である”と率直に認めました。また、ホワイト氏は”BOOT契約は一般家庭には何の利益も生まないのである。”とも述べています。しかし、それらは請負契約者にとっては素晴らしいものなのです。その契約者は、建設、財務管理、株配当、経営契約の4つの収入源を得る事ができるのです。
Cascal BV
この会社はバイウォーター社とオランダの水会社の合弁会社で、インドネシアで最も豊かな地方であるプカンバルーでの給水経営に関する契約を得る事になります。そこの公務員の中には、この民間企業は問題を引き起こし、その市政府は、何の便益も得ることはできないだろうと考えているものもおり、ジャカルタで起きたような問題がプカンバルーでも起こされるのではないかとおそれています。保健所の水質管理長のR.Togar.S氏は2002年5月8日、リアウ・ポストに”外資系企業が我々との約束を守れず、プカンバルもジャカルタの二の舞いになるのではないか”と述べています。彼は又、”政府が新しいパイプ建設の援助さえしてくれたら、プカンバルー市政府も給水管理を行う事が出来ると信じていると話した。例えば、Cascalが配水管の接続全てをやり直すのに10億ドル必要なら、PDAM社はその半分で充分だと付け加えた。更に、地元の州営企業に権限が与えられれば、そこの住民の強化することとなり、政府の歳入も増えるはずだ”と述べました。彼は又PDAM社が業務改善を行なっている事も述べました。1999年に、34%の水が、認められた水質以下だったが、2000年には33%に下がり、昨年の2001年には28%にまで減少しました。
IFIsの民間水企業への圧力はインドネシアだけの出来事ではありません。これは、IFIsのクライアントである貧困な発展途上国の殆どの国で起きている出来事なのです。この状況は実に恐ろしいものです。多数の発展途上国においての公的事業のモデルは、非常に共通しています。ヨーロッパ諸国15ヶ国ベルギー、デンマーク、ドイツ、スペイン、フランス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、オーストリア、ポルトガル、フィンランド、スウェーデン、イギリスの中で完全に民間企業により経営されているのは、イギリスとフランスの給水会社だけなのです。
デイビッド・ホールの書籍”Water in Public Hand(水を公共の手に)”では、公営の水事業といっても、多様な組織形態が存在しうると述べられています。
●行政部局
公権力の部局構造として、水事業が行われている場合。
●”Regie”内部事業体。
一つの自治体に対して、ひとセットの会計で定義される。フランスやドイツのRegies:例えば、オランダのアムステルダムウォーター社やフランスのグレノーブル社を含む。
●”事業の企業化”
公共企業体が公共事業として所有する外部の会社。このような外部企業体における可能な法規定MWCは各国の法律により異なります。これらは企業化の程度や、民間企業法への近さにおいて様々なレベルがあり得ます:
*特別な社会的地位を与えられた市営又は国営の会社
*非営利の会社
*企業法に基づき、a.p.i.cとして企業化されているが、株が100%公共企業体で所有される会社