前に戻る


水の自由化・商品化を考える

                    AMネット共同代表 石中英司


「20世紀は領土紛争の時代だったが、21世紀は水紛争の時代になる」といわれています。

2003年3月には、滋賀、京都、大阪からなる琵琶湖・淀川水系で第3回世界水フォーラムが開催されます。

第2回会議で発表された「世界水ビジョン」において、「水のフルコストプライシング」の重要性などが指摘され、第3回会議ではそれらの行動計画が発表される予定となってています。

AMネットでは 世界水ビジョンの中でも、特に
「水の自由化を推進するフルコストプライシング(水の価格・価値付け)」
について問題
があると考え、テーマとして取り組んでいます。

それではフルコストプライシングとは一体どういうことでしょうか?
水に価値を付けるための手法として市場メカニズムを活用するため、水市場を自由化、民営化し、水を「商品=経済財」として扱うことになります。
つまり水に価値を付けることによって、水利用の効率を向上させようというものです。

水の自由化・民営化は、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)、国際通貨基金(IMF)などの機関によって進められています。
世界水ビジョンでも、民営化の推進によって、公営企業の効率性を改善する機会にもなるということも述べています。

しかし、このことは世界中で既に様々な問題を引き起こしています。

そして実際に進められているのは、貧困削減や水不足の解消などではなく、
「水の市場化・商品化の推進」と、途上国における水資源「開発」の推進ではないかという指摘すらあります。


また貿易交渉においても水供給分野をどのように扱うのかが、重要な課題となってきています。

強力に自由化を推進している勢力が、フランスやアメリカの多国籍企業です。
彼らは「世界水フォーラム」の開催を強力にバックアップし、世界の水危機を宣伝し、その解決策として民営化・自由化を提唱しています。

さらに、世界貿易機関(WTO)のサービス交渉においても水道事業の民営化・自由化を交渉議題に入れる機会を狙っています。
実際フランスの提案には水道事業が盛り込まれています。
貿易の自由化はモノだけではなくサービスも自由化されようとしています。

日本でも水道法改正にともない、民営化 更にはその次の自由化を見据えて日本の商社と合弁会社をつくり、水道ビジネスへの参入を狙っています。
彼らにとっては、大きなビジネスチャンスとなるからです。
民営化が進めば当然外国企業の圧力が高まり、やがては外国資本の参入もすすむことになるでしょう。


水の自由化による問題を経験し、疑問を投げかける立場、また、水の自由化によって水問題を解決させようと考える立場、それぞれの立場の議論を聞き、水の自由化・商品化問題を、第三回世界水フォーラムでの議論に繋げて行く出発点としたいと考えます。
 
私たちは水との関わりから離れて暮らしていくことができません。
水との関係性を見直す新たな一歩となればと考えます。