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シャル-ルイ ドゥ モデュイさんのスピーチ
水供給システムに関する(特に発展途上国における)事業者のコメント


・ 今年度の「世界水の日」のテーマは、「水と発展」である。それに従って、国連は、水資源の汚染のコントロールなど水に関する問題を解決する活動を推し進めている。これらの問題は、特に最も貧しい国連加盟国に関係する。

・ 水の循環には、天然資源と流域のマネージメントに関わる大きな水の循環、飲料水と衛生に関わる小さな水の循環という2つの循環がある。水の輸送にはコストがかかるので、後者は近接マネージメント(proximity)を必要とする。

・ この区別は、リカルド・ぺトレラのお気に入りである「人間の水コミュニティ(human water community)」、または「人口」や「社会」という用語を使う時に重要になる。しかし、全ての人が同じ尺度で考えているわけではない。

・ 飲料水の供給そのものは、飲料水を生産するために、再度、引出し得る資源の補償を行った上で、環境内で循環するように組織されている。結果として、明らかに、水と大気は、環境マネージメントにおいて中心的に扱われるものである。

・ 衛生面の安全の要請ために、水のマネージメントの中心に公衆衛生を位置付けることとなる。よって、水質に関する要求が高くなっていくことの理由である。人々は、狂牛病やlegionellosisのような新しいリスクをますます憂慮するようになっている。

・ それぞれの居住者が受け取る水は、もし劣悪な質のものならば、毒性を持ち、病気のリスクを引き起こす生産品となる。水は、平準化されるものや、普遍的なものではなく、生活であり不可欠な生産品である。
その水質の起源を追跡することは、特に困難で、そのため、公衆衛生への要求だけが増加している。輸送のコストも高いので、水供給が近接サービスとしている要因であり、それぞれの国においてコストが幅広く異なっているのかということの理由である。にもかかわらず、水は安価な生産品である。
政治的には、「水は利益を生むものではないが、非常に高くつく。」のである。水は、これらの特徴すべてのために、しばしば比較される電気、天然ガス、電話などは、全く異なる産品なのです。

・ 水のシステムは、地域を基本とする政治的、経済的な決定によって選択される。それらは、政治的、社会的、財政的な背景と同様に歴史、文化など、それぞれの国の特別な状況による。

・ 多様な水の分配モデルを分析するために最もよい方法は、以下の3つの指標に注目することである。

a) 指標1:長期的な価格の可視性(水の価格は、選択された生産レベルとサービスの質に対応しているので)―
全てのものは平等に考慮されなければならず、長期的な水の価格の変化には、操業上のリスクを考慮しなければならない。
よって、投資と操業管理に関わる支出をも考慮されなければならない。

b)指標2:競争の現実性(一般的には、価格と品質の最適な比率で消費者に提供すること同意語として受け入れられている)――
飲料水供給や汚水処理サービスにおける競争は、電気、天然ガス、電話サービスにおける競争と同じように評価することはできない。
それは、市場の上で、起きるのではなく、クライアントごとに(イギリスでの試み以外)、むしろ市場のための起きるものである。つまり、それは、この契約の全期間に渡って、契約を勝ち取る事業者に理論上、確保されるであろう「顧客グループ」に関するものである。

民営のオペレーターにとっては、現在のところ2つの競争的なアプローチが水供給と汚水処理サービスにおいて採用されている。つまり、それらは、「現在の」事業者が失う可能性のある契約を定期的に調査することと、それぞれの地域の特性を考慮したコストの比較をするというアプローチである。ここでの唯一の現実的競争は、契約を失うという事業者の側のリスクに関わるものである。
そうでなければ、広告のスローガンがやっているように、「競争のにおいがするが、競争ではない!」ことになる。

c) 指標3:市民の関与の程度
 1998年のパリ会議でのスピーチにおいて、フランスの首相は、「水は社会的な価値を伴う集合財であり、遅かれ早かれ、代議士の周りにグループ化されている、利用者または消費者からの関与を必要とする」と宣言した。
水の供給サービスは、準公的だが、人々のニーズをよりよく表明することができると考えられる組織を通して、人々の考えと期待を表明したいと、しだいに感じているという背景から、「市民、行政府、事業者」という三角関係となっている。


・ 我々が見てきたように、全てのシステムは矛盾のなく、透明性のある共同事業でなければならない。

・ 全てのシステムは、以下に関して一貫していなければならない:

契約:結果を求めると同時に、その結果を達成するための方法を制御することはできない――その二つの間を選択しなければならない。加えて、契約は、状況の変化に対応することができるように、柔軟でなければならない。また契約を履行する者が利用可能な方法は、要求された結果を達成するのに十分なものでなければならない。

規制:規制当局の活動の範囲は、この国に可能な競争レベルに適合していなければならない。
フランスの規制システムは、地方自治体を基本とした近接規制(proximity regulation)を伴う。つまり、水システムとそのインフラを管理する責任をもっているのは自治体なのです。これが、地域当局への全般的見解を示しており、この当局が投資のニーズと居住者の支払能力を調整する。他の規制システムは存在するが、中央の公的機関が綿密にサービスの質の監視を行なう中央の公的機関と共に、資産に対しては民間が責任を持つという異なるアプローチ(例えばイギリス)を基本としている。
二つの規制の方法を組み合わせることは困難である。
つまり、規制というのは決定に市民が参加している結果の一つである。解決策は、それぞれの国で違うであろう。イギリスでは規制は集中化されているが、アメリカでは州レベルにおいて分権化されている。フランスでは規制は地域コミュニティのレベルで分権化されている。

・ 全てのシステムは透明なものでなければならない。
市民とその代表は、プロジェクトに投資する理由やその結果だけではなく、誰が何をしているのか、誰が責任を持っているのか、なぜサービスは委任されたりされなかったりするのか、どのような結果が得られたのか、などについても知っておかなければならない。
それぞれの国は情報に関連して特定のルールを、それぞれ選択するかもしれない。
イギリスでは事業者は情報に関して集権的な義務を持っている。一方、フランスでは、これらの義務は、多くの異なった地方自治体があるために分権化されている。
長期的に、水の分配システムは、市民とその代表に情報を伝達することなしには十分に正統化されることも、維持することもできない。

・ どの組織においても、水供給事業の運営には、リスクと責任がどのように配分されるかを特定する3つのレベルの組織と権利が必要となる。

1) 敷設と構造的な活動(行政/組織/事業)
2) 一般的経営活動
3) 操業活動

・  このアプローチによって、政府当局についで、サービスを提供できる民営の事業者による主要な3つの方法が、それぞれ区別できるようにする。

1) 操業と維持の契約:行政当局は操業する権利を、民間の事業に与えるだけである。

2) 経営の委任契約:行政は、操業する権利に加えて、全ての、またはいくらかの一般的な経営権を民間事業者に与える。

3) 民営化:操業権と一般的経営権に加えて、行政は全ての、またはいくらかの敷設と構造面での権利を与える。この種の組織は、州レベルでは、しばしば外部の規制機関を伴う。

・ 現在、以前にもまして全ての組織モデルは、関係者それぞれの役割を、明白に規定しなければならない。ヴィヴェンディでは、我々の150例に渡る経験から、「構造的な」、または「組織的な」組織を、操業部門から区別し、この組織的当局が、資産を管理することが重要であるということが示されている。ただ、このモデルによって、職務の分割と責任の分割とを誇張しないことが重要である。

・ 全ての水の分配システムは以下の3つのキーポイントによって定義されなければならない:
1) インフラ設備の所有権
2) リスクと責任の分配
3) 価格の設定

・ 不幸なことに、水供給サービスのコストは回収されなければならない。これらのコストは、多くの理由で増加する。
その理由とは、資源の劣化、ますます増大しつつある質への要求、そして特に発展途上国においてはインフラ設備を更新し、飲料水と汚水処理の拡充などのような特別の要求などである。

・ 増加する価格は支払いに問題を抱える人々の数を急激に増やすので、市民の支払い能力に関する問題は、増大する一方である。
コストは利用者と納税者から、そして財政的支援を通して、あるいはこれらを組み合わせた形でのみ回収されうる。水供給業者は、そのような配分を決める権限を持っていない。
一方で、水供給業者は、選挙で選ばれた当局に、市民が料金を理解することがどれほど重要なのかについて知らせることができるし、またそうしなければならない。言い換えると、それは、料金と水とサービスの質の両方に関して、透明性である。

・ 今日、消費者が、水の消費に伴う全てのリスクを負わなければならないということは政治的に正しいこととなってきている。
しかし、先進国では、納税者がしばしば基本部分を支払っていて、この考え方の正当性は決して疑問視されなかったので、このような実情がいつもあるわけではない。
水という共有財産をマネージメントするコストは、消費者だけに負担されるべきなのであろうか?この質問に対して「はい」という答えを選ぶことはできるが、これは事実に基づいている訳ではない。
税金による資金調達に依存することは、コミュニティにとってもより良いし、またより公平であるので、マージンは常に調節されうるし、そうすれば、それぞれの世代の使用者は、彼らの利用に伴うコストだけを負担することになり、それ以上は何も負担しないので、ある場合には解決になるであろう。

・ 多くの発展途上国における、水供給に関する主要な疑問は次のとおりである。
a) 求められるサービスについてのコストはいくらなのか?
b) 市民の支払能力はどの程度なのか?
c) 市民が喜んで支払うのはいくらなのか?これはまた、1つの国の中におかれた水の分配システムの正統性という観点からの問題でもある。

・ 言い換えると、事業者はどのように消費者の支持を弱めることなく環境保護と衛生面の安全への基本的な要求を満たすことができるのであろうか。
そして心に留めておかなければならないのは、飲料水のネットワークを新しくするために最も多い1人当たりの投資を必要とするのは、しばしば最も貧しい都市―不幸なことに最も大きな人口成長を経験しているのと同じ都市―であるということである。

・ 我々は、特にコミュニティの人々が貧しくて、その国のリスク・プレミアム(割増リスク)が高いときは水供給サービスのコストにおける資金調達に関するウェイトが増加することを強調しなければならない。
そして水供給は不確かな未来を予想しようとする試みの顕著な例であるということを心に留めておかなければならない。真の問題は保証することが難しく、コントロール不可能なリスクと(確実性とともに、未知の)多額の資本を投入することが必要であるということである。リスクには、4つのレベルがある。:

a) 投資の種類と額は、しばしば理論的にニーズを評価することから生じる。インフラ設備を増加することは、ここで、また非生産的な金融的支出(つまり、利子の支払い)に加えて、時間の枠を増加させることを意味する。

b)2番目のレベルの不確実性は、たとえ、彼が、唯一の支払い貢献者だったとしても、消費者が水を支払うという事実から生じる。彼が支払う能力は彼の収入によるので、彼の収入が、彼の支払い能力だけでなく、どの程度ならいとわずに支払うかをも決定する。
しかしこのことは、多くの国では、水は全ての人に無料で入手可能な天然資源であると考えられているので、全く問題にならない。

c)増大する財政支出は、将来的に増大する投資を伴う。より高い水の価格は支払いに問題を持つであろう人々の構成比率が、乗数的に増加することを意味する。

d)最後の最も重要な点:水の分配は近接のサービス(proximity service)であり、それは全ての市民、よって、選挙で選ばれた公職者、特に地域における選挙で選ればれた公職者に関係する。
多くの発展途上国では、それは地域の政治的圧力にされられる。一般的に、市場は不安定で規制を欠いている。これは、将来への基本的な不確実性、特にゲームのルールが契約履行の最中に変わるという常に付きまとっているリスクも引き起こす。
そして投資コストに見合うインフラ設備の規模は、長期の契約を必要とする。よってリスク・プレミアムは、このようにして非常に高くなる。

・ 発展途上国では、以下の理由のために物事がより困難になり、リスクは最大化されている。

1) しばしば最もリスクが高い時に、契約の申し出が行われる。

2) はじめの数年間は、事業者(もし民営ならば)は、彼の保証か、あるいは資産の下で、事前協議も行っていないユーザーから収入を集める権利があるならば、投資しなければならない。そのユーザーは、そのシステムに必ずしも合意しないし、そして支払うことさえできないかもしれない。
事業者は、その国おいて、公的機関から契約を解除されるかもしれないという永続的なリスクと共に生きなくてはならなず、しかも、その公的機関は、事業者に対して、その債務を負わせたまま放り出して、公的機関自身は将来の得られるであろう収入を回収するのである。
これは、水企業が、政治的権力に大きく依存していることを意味している。この権力の逸脱は一般的には、見えないものである。
強調されているのは、むしろ大企業と政治機関の間での情報の差であるが、増大しつつある知識とメディアの役割によって、この情報における格差は減少している。

3) 一般的に、水供給によっておこるキャッシュフローと資金需要にもギャップがある。水に関わる産業は、投資に対する収益の回収が大変遅いことを経験によって知っている。すなわち、事前の投資コストが大変高いのである。
最初の数年間はほとんど利益を生まないのだ。そして、そのほかの地域に較べて、発展途上国では資本の価格(資金調達コスト、投資コスト)がとても大きいということを忘れがちである。
借入によって確保された資金からの歳出はすべて、キャッシュフロー外において、資金調達コストを多大に増やす乗数を持っている(訳注 高い利子率)。
これは、大企業がこと発展途上国への投資になると慎重になる状況を物語るだけでなく、問題に対する違ったアプローチを取ることが必要であることを示している。

リスクが高すぎる場合、それを最小限に押さえるために3つの解決方法が考えられる。
1) ひとつは、最小限のコストで負担することができるものによって担うことができるように、様々なプレーヤーたちの間にリスクを分散させること。

2) 内部リスク(運用にかかわることや、技術が時代遅れのものになるなど)と外部リスク(規則の改定や、為替レートの変動によるものなど)を区別することによって、資金調達を行う予定の投資コストを最小化するため、それぞれ対応する時間制限の中で、それぞれが負担できるいろいろな下位の部分へと分割していく。

3)最も安価に、良質な資金を利用するために、公私の資本を混在させること。
ただし、この「資金の混在」に関する内部構成は国によってかなり状況が違うことがある。ひとつのカテゴリーでは、(浄化装置などなどの)ある特別な水処理技術に関するインフラに関連するもので、その寿命は20年以下で、だんだん高くなる危険をはらんでいる。

ふたつ目のカテゴリーでは、土木工学や水道管などの公共工事に関するもので、これらの寿命はしばしば50年を越え、ひとつめのカテゴリーに対するものよりもリスクはかなり限られている。
これらの投資に対する経済的違いによって資金調達を、(市場が許容するであろうと言う限りにおいての)投資ライフサイクルに合うような期間での資金調達源を見つける必要性が出てくる。
公的資金(国レベル、あるいは国際レベルの開発資金)だけが水の輸送と供給に関わる長期的に資金調達でき、一方で、民間の銀行や債券の発行による資金調達は、水処理といったものの経済的ライフサイクルに、しばしば適している。完全に民間からだけの資金調達に比べ、この資金の混成タイプによって、立方メートルあたりのコストに重大な違いを生み出す。
操業においても、様々な、高いリスクにさらされていて、これが、自らの資本を委ね、それへの報酬を得る民間事業者に依存してしまう理由なのである。
 
・誰が資金調達の責任を持つかという選択は、一国での水供給がどのように組織されるか、どれくらいのレベルの規則が必要になるのか、そのサービスの費用、水の利用者と納税者の間での費用配分について、非常に重要な影響を及ぼす。
大いに政治的な決断で、「すべてが公共」、あるいは「すべてが民間」の資金供給については、多大に不都合な状況を含むものの、最終的な決断は人々によって選ばれた政治家たちによってなされるものである。

・契約に、「スキャンダル」の元になる可能性のあるいくらかの柔軟性を持たせることは危険であるという人がいるかもしれない。発展途上国の法律では確かではない分野があることが特に考えられるので、その危険は現実である。
これらの危険は、地域コミュニティ顧問会議や、審判員に対する財源の可能性、あるいは計画や行動での議論や問題を解決するために国際的に認められた外部の判断を仰ぐことで、事業者に「法の遵守」を実施させることを要求することによって緩和し得る。

 とにかく、それぞれの国にとって選択されるシステムの適切性は長期間のうちに判断されるもので、2つの基準に基づく。

第一番目/一定のコストの下で提供されるサービスの質。このコストはもちろん資金調達コストのために選択されるシステムを含み、(特に、長期間に渡って利率を保障し、資産を蓄積していく必要性に関して)時間を考慮しておかなければならない。 

第二番目/システムへの公的機関の関わりの程度である。地域との関係が明らかなときは、正当性というのはあまり問題にならない(国民国家の時代にイギリスであったような地域からの水供給を断たれたという例は、何回も繰り返されるというものではない)。

・いいかえれば、事業者は、――公共か、民間か、あるいは、その両方のコンビネーション、つまり、いわゆる公共・民間パートナーシップ(Public-Private-Partnership)、あるいはPPPにせよ――水循環において、事業者は、控えめだが同時に、欠くべからざる崇高な仕事を持つことになる。つまり、

欠くべかざる なぜならば、事業者は水供給の鎖の一番端にいて、見えるもので、水の消費者と連絡を取っているからだ。
いいかえれば、事業者は消費者の心を持っている。そしてまた全水循環内の批判や批評に対して、その窓口となっており、責任を持っている。
その役割とは、「投資の前にうまく管理経営」することであり、「高い修理事業を先延ばしにして、減らす」ために、よりよく資産を維持することである
。いいかれば、資源を強化する前にネットワークが生み出すものを改善し、資本の再構成を可能にすることによって、将来を予想していくということだ(水の環境管理、インフラ設備マネジメント)。

控えめで限定的 というのも、事業者は、世界の水消費の極小さな一部分に責任をもっているだけで、消費者へ提供されているサービスの質とコストに対しては部分的な責任しか持っていないからである。


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