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パブロ・ソロンさんのスピーチ原稿


■ボリビアにおける水をめぐる闘い                 

 ボリビアは南米の中心に位置する国です。15年間にわたり、ボリビアでは電気、航空、炭化水素、鉱業、森林資源、電気通信など、ほとんどの公営企業や公営サービスが民営化されました。
 水をめぐる闘いが始まるまで、ボリビアは世界銀行とIMFの模範生だったのです。

■2000年に起こったこと
 コチャバンバ市での大きな社会騒乱と、同年9月にラパス市で起きた大きな闘いが民営化の進行を止めました。
・コチャバンバ市で、ベクテル社に有利な水道事業の民営化契約が破棄されました。ベクテル社は米国最大の水道企業の一つです。
・飲料水と下水に関する法律が大きく改正されました。
・水道事業はコチャバンバ市の管轄に戻されました。
・水の使用すべてを民営化しようとする水に関する別の法律制定計画が撤回されました。

●水が、ボリビアを目覚めたのはなぜなのか?

 例えば、飛行機に乗れなければバスに乗ればいいし、電気料金が払えなければ風車を使えばよく、肉が食べられなければ具のないスープを飲めばよいだけのことです。しかし、水を得られなければどうでしょうか?人は死にます!「水は生命であり、人は誰でも生命を奪われてはなりません」これが水の力なのです。
 ほとんどの都市社会に存在しているこの要素が、ボリビアにおいては小作農民や先住民族の人々のビジョンによって強化されました。
 アイマラ、ケチュア、グアラニーといった先住民族にとって、水は「パチャママ(母なる大地)」に流れる血です。

水を民営化し、商品化し、価格をつけることを主張することは、何世紀にもわたって行われてきた水の公共管理に反します。飲料水法の承認と、アグアス・デル・ツナリ−ベクテル社との契約締結は、このような何世紀にもわたる水の利用法そして、先住民族や小作農民の社会に反するものでした。


●対立の原因は何でしょうか?

・コチャバンバ市における飲料水の民営化と40%から300%の料金引き上げの許可。

大企業の独占を確保するために、何百とある都市近郊の小規模水道の所有権を取り上げようとする試み。

小作農民の水源を多国籍企業に与えようとする意図

 これらの措置はアグアス・デル・ツナリ−ベクテル社との契約と、48時間とかからずに国会で承認された飲料水法2029で成立しました。国会の与党や野党の幹部がアグアス・デル・ツナリ−ベクテル社の一部であるという事実が、この素早い国会承認を説明するでしょう。
 契約の署名は1999年9月に行われ、その1ヵ月後に飲料水法が承認されました。12月には最初の抗議運動が行われ2000年1月には最初の道路封鎖が行われ、2月には町や現場で大きな対立騒ぎが起こり、4月には本物の内戦が勃発しました。


●反応した人々とは:

・水道料金の引き上げに反対していた人々
・多国籍企業に独占権が与えられることにより、自分達の小規模水道を失うことを恐れた住民
・何世紀にもわたって利用していた水源を守ろうとしていた小作農民、コカ生産者、地域住民

 このような人々が「Coordinadora de Defensa del Agua y de la Vida de Cochabamba」の下に結集しました。この団体は1999年11月に結成され、数週間のうちに絶大な力を持つようになりました。
 2000年4月、アグアス・デル・ツナリ−ベクテル社との契約は破棄され、飲料水法の82の条文のうち38条が改正されました。今日、同法には飲料水法2066という番号がつけられています。
 2000年9月、ラパス市を取り巻く道路封鎖の抗議行動が20日間にわたって行われ、別の水道民営化計画が撤回されました。


■水をめぐる闘いによる社会的損失
 2000年4月と9月の騒乱により死者9名、重度の負傷者約100名、また数十名が囚人となるか拘禁されました。強力な抗議行動のためにまちが数日間包囲状態となりました。
 道路封鎖による高速道路や一般道の破壊により、国は9千万ドルの損失を被り、さらに道路封鎖により商品が販売できなくなったために、商品として7千万ドルの損失が出ました。

● 世界銀行、IMF、米州開発銀行の責任

 確かに、このような結果の責任は、契約や法律を承認した国家当局にあります。しかしながら、政府のポジションは、多国間機関によって支持されていたのです。

国際的な圧力のひとつの例として、1997年7月1日付の「エル ディアリオ(ElDiario)」新聞に掲載された記事をここで読み上げさせていただきす。

多国間組織が政府に圧力をかけている
 コチャバンバのセマパ(SEMAPA:上水道公社)を民営化すれば、ボリビアの負債600万ドルは、免除され得る。
もし、政府がコチャバンバの水事業を民営化すれば、国際通貨基金と世界銀行は、来週、ボリビアを援助する行動(the actions in favor of Bolivia)を明らかにするであろう。』と、ゴンザロ・サンチェ・デ・ロサーダ(Gonzalo Sanchez de Lozada)ボリビア大統領は述べている。
 来週までに、コチャバンバの上水道公社(セマパ:SEMAPA)の民営化プログラムが決定すれば、ボリビアの多国間債務600万ドルの返済猶予が、世界銀行(WB)、国際通貨基金(IMF)、米州開発銀行(IADB)によって、実施されるかもしれない。

 私たちは、来年の世界水フォーラムにおいて、ボリビアの事例を紹介したいと思っています。それは、オランダにおいて承認された世界水ビジョンが、私たちの誰もが望まない争いや対立を駆り立てていることを示すためです。


■ 4月の勝利(THE VICTORI OF APEIL)の後に何が起きたのか?

「コオルディナドラ(Coordinadora)」が直面する最大の問題は、コチャバンバの上水道公社(SEMAPA)の経営です。
民営化に反対すること、それからもう一つ別に、サービス普及率を50%から100%にするという目標を持っている企業を経営するということです。

2000年4月以降、敵は眠ることがない:

ベシュテル社(Bechtel Company)は、7ヶ月間に100万ドルに満たない投資しかしていないにもかかわらず、ボリビアから2500万ドルの補償金を取ろうとしています

・政府は、私たちが獲得した新しい法律の完全な実施を避けるために、条例の承認を先延ばしにしています。

・政府と新自由主義を支持する政党は、「コーディナドラ」が非効率で、民営化が唯一の方法であるということを示すために、上水道公社セマパ(SEMAPA)を、組織的に、故意に妨害しています。

・政府は、社会活動家にさらなる圧力をかけ、主要な指導者に対する裁判を開くために、米国大使館の指示に追従しています。

・政治的あるは民間企業のグループはボリビアの非常に乾燥している地域からチリの鉱物採掘企業に対して水輸出法を秘密裏に承認しようとしています。

 現在、これは、ボリビアにおける水戦争の新らたな一章となっています。もし政府と私企業が水輸出法を承認してしまうと、たとえ、ボリビアの一部であっても、水の民営化と商品化にとって、決定的な勝利となってしまいます。

 私たちは、もし、ボリビアの政治システムを変えないのなら、私たちが闘って獲得したものは保証されないことに気が付いています。
そのため、私たちの国がいかに組織、統治されるべきなのかを、政党を要することなく、人々が決定できるように、「コオルディナドラ」は、Constituent Popular Assemblyに向けて闘っています。


■国際的なレベルにおける我々の課題は何か?

ボリビアの水戦争は、世界の水戦争の前兆です。
過去2年にわたり、ボリビアで水と生命のために闘った人々は、一国内で水の民営化を完璧に打ち負かすことが不可能であるという結論に至りました。

水は、国境を越え、大陸を越える、生命の維持に不可欠な資源なのです。
私たちに必要なのは、世界人権宣言が存在するように、世界水宣言が必要なのです。
私たちは、次のことを確立するような水に関する国際条約に向けて進まなければなりません。
・水は、人と地球自体を含めた全ての生命体に属するものである。
・何人も全ての人々に属するものを民営化することはできない。
・水は、商品として取引されることはできない。
・水資源の割り当て(assignment)は、連帯のメカニズムを通して、自然と調和して、行われなければならない。

 みなさん。手遅れになる前に、打ち砕かなければならない脅威があるのです。脅威というのは、水の海外輸出のことです。
水の輸出が、国際企業ルールの下で続くとすれば、水の民営化と商品化は勝利を収めてしまうことでしょう。
この脅威を打破するために、私たちは、国際的なキャンペーンを必要としています。この意味で、私たちは、国際キャンペーンについて、具体的な行動について議論しなければならないのです。
 最後になりましたが、どうぞ、ボリビアで、全世界で、水のために闘い、殺されてしまった人々の魂と勇気を記憶に留めておいてください。
ご清聴ありがとうございました。



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