モード・バーローさんのスピーチ
はじめに、この事実を確認しましょう
地球上の淡水の供給は有限で、しかも少量です。それは世界のすべての水の0.5%以下にすぎないのです。地球上の水の量は、地球誕生の時から現在まで変わっていません。実は、それは同じ水なのです。私たちの上に降ってくる雨は、かつてここで生活した恐竜の血の中や子どもの涙の中を巡ってきました。
そのほかには淡水の供給源は見つかっていません。水は特別なものです。供給が限られていますし、代わりになるものはありませんし、すべての生命体にとって欠くことのできないものです。
悲しい事実があります:人類は地球上の淡水を枯渇させ、奪い合い、汚染しており、そのあまりの速度とひどさは地球上のすべての生物を死滅の危機に追いやっています。私たち自身も含めてです。
世界の水の供給を脅かしている原因はいくつかあります。
・はじめに、人口の爆発です。
地球の人口は毎年8500万人増えています。2025年までに現在よりも26億人多い人口で同じ量の有限の淡水を分かち合うことになるのです。
・2番目に、1人あたりの水の消費量が増えています。
1人あたりの水の消費は20年ごとに倍になっています。これは人口増加率の2倍の速さです。
その原因は、工業化とハイテクが大量の水を消費し、また、水を浪費する生活スタイルを助長していることです。工業のための水の消費は20年ごとに倍に増えていますが、それが今では第3世界の川の上流にまで押し寄せ、過剰な消費で川を枯渇させつつあります。
・3番目に、問題のある農業のやり方です。
農業生産のための灌漑は大量の水を消費します。これは人類が消費するすべての水の約70%にあたります。工業化された農業が水を過剰に消費し、浪費していることは周知のことです。灌漑を行うと残留塩分が集積し、土地が使えなくなります。
現実に、この50年間に、間違った農法によってすべての耕作地の3分の2で、劣化が起こっています。
・4番目に、大規模な汚染です。
淡水に対する最大の脅威は、膨大な数の工場や、工業化された農業、そして都市化によって起こる汚染です。農薬、化学肥料、硝酸肥料、微生物、化学薬品、医療廃棄物、放射性廃棄物が私たちの水系に排出され、あるいは漏れ出しています。
第三世界では排水の90%が処理されないまま現地の水系に放出されています。
・5番目に、地球温暖化、森林の伐採と湿地の喪失です。
湿地は水を保全する上で大事な役割を果たしていますが、この100年足らずの間に世界の湿地の半分以上が破壊され、この破壊はますます加速しています。湿地と同様に、森林の破壊も猛スピードで進んでいます。
地球上で持続性がある森林で覆われている部分はわずか5分の1です。しかも、この残された森林が容赦なく破壊されています。
地球温暖化に伴う気温上昇によって、湖や川などの地表水の蒸発が極端な速さで進み、水系の保全に役立ってきた山地の雪が失われています。
・6番目に、ダムと河川改修です。
この100年間に、4万基を超える大規模なダムが建設され、交通のために改修された河川の数は50万以上に及んでいます。世界の河川の60%以上が開発のために利用されてきました。
ダム建設による土地の水没は大量の温室ガスを大気中に放出させ、現地の生態系に計り知れない悪影響をもたらします。
ダムと河川改修は、ガンジス川や黄河やナイル川やコロラド川が海まで流れなくなった最大の原因でもあります。
・7番目に都市化です。
最後に、無秩序な都市化が、利用可能な淡水の量を減らしています。
スロバキアの科学者たちが最近行った有力な研究によると、雨になって地上に戻ってくるはずの蒸発水が、実際には森や土ではなく舗装された道路やビルに落ちて、海に流されてしまっています。
この科学者たちは、地球から毎年1兆8000億立方メートルの淡水が失われており、今後100年間に地表から失われる水の量は、大気との間で循環している水の全体量に相当するだろうと警告しています。
人類は地上の水の供給源をあまりにひどく破壊してしまったため、今では地下にある水に目を向けています。地下を速い速度で流れる川と、大昔からの淡水をしっかりと蓄えている帯水層です。
私たちは、地上の水に対して行ってきたのと同じように、地下水を容赦なく汲み上げ、その貯水能力を無視してきました。そのため、すでに深刻な問題が起こっています。
世界の人口の4分の1が地下水に依存して生活しています。この割合が増えているために、この水の供給源も極端な速度で枯渇し始めています。
中東のほとんどの国が、歴史上最も深刻な水不足に直面しています。
サウジアラビアでは人口の75%が地下水に依存していますが、50年以内に地下水が完全に枯渇するという問題に直面しています。
イスラエル、ヨルダン、パレスチナでは、地下水が急速に枯渇しはじめており、軽率な行動によって、この地域の貴重な帯水層に海水が浸透しています。
アフリカの22の国が、今では国民にきれいな水を供給できなくなっています。
多くの女性が水を手に入れるために遠くまで歩きますが、南アフリカだけでもその距離の合計は1日に月まで16往復した距離に相当します。
中国政府は、経済の「奇跡」を支えるために、水を工業のために優先的に使うべきであると言ってきました。全国のいたるところで井戸が無惨にも枯れ果て、地下水面が下がり、川や湖や小川が干上がっています。
巨大な工業用の井戸が残っている水を汲み出すために地下をますます深く探索している中で、何百万人もの農民が全く水がない状態にさらされています。
華北平原の地下水面は1年に1.5メートル下がっています。華北地方の400の都市ですでに深刻な水不足が起こっており、水不足は中国の人口の半数以上に及んでいます。北京の地下水面が急激に下がっているために、首都の移転さえ考えられています。
淡水の不足という重大な事態が人類にもたらす結果は、すでに感じられるようになっています。
国連によると、世界の31の国が現在、切迫した水問題に直面しており、10億人以上の人々がきれいな飲料水を利用できません。
人類の半数が基本的な衛生設備に事欠いており、不衛生な水に媒介された病原菌によって毎年2500万人の人々の命が奪われています。8秒に1人の割合で、子供たちが汚染された飲料水のために死んでいきます。
そして、私たちが根本的にやり方を変えない限り、2025年までには世界人口の3分の2近くが深刻な水不足の中で生活するようになるでしょう。
グローバルな”水危機”の重大さと深刻さはどれほど強調しても足りません。それは今や、地球が生き続ける上での、おそらく最大の脅威でしょう。
不幸なことに、この脅威の重大さが知られるようになったのは「ワシントン・コンセンサス」の原則によって主導される時代でした。
「ワシントン・コンセンサス」は、自由な市場経済が世界中どこでも採用されるべき唯一の選択であるという考え方を基礎にする経済モデルです。
この合意のカギは、国家間の競争です。
その中で政府は、外国資本を引きつけるために規制や基準を取り除き、政府の責任の多くを民間部門に委ねます。
もう1つのカギは、共有財産という考え方への攻撃です。すべてのものが誰かの所有物である、つまり、雨は降る前から誰かの所有物であり、魚は釣られる前から誰かの所有物であり、森の奥深くに埋まっている種も誰かの所有物であり、生命体のDNAも誰かの所有物だと言うわけです。
「ワシントン・コンセンサス」のもう1つの特徴は、国を超越した巨大な企業が、国の法律を逃れ、政府に代って経済を左右するようになっているということです。だとすれば、民間セクターが忍び寄る水危機について、世界の大半が気づく前にそれを知って、それを利用するために動き出したのは驚くことではありません。
この人たちにとって水は「青い(ブルー)金(ゴールド)」なのです。「フォーチュン」誌は水に関する特集の中で、「水は21世紀において、石油が20世紀の果たした役割を果たす。それは国の豊かさを決定する貴重な商品となるだろう」と断言しています。
「フォーチュン」誌によると、水関連産業の年間の利益は約1兆ドルで、石油産業の約40%に達しており、すでに医薬品産業を大幅に上回っています。しかし、現在、民間企業が支配しているのは世界の水の約5%にすぎません。
だから水危機の深刻化に伴って巨大な利益の可能性が生まれると「フォーチュン」誌は言っているのです。「フォーチュン」誌の控えめな予想でも、民間の水関連企業は年に10%以上の割合で成長すると考えられています。昨年、米国の水関連産業だけでも150億ドルに相当する水の買い付けが行われています。また、大手の水関連企業が次々と証券市場に上場しています。
現在、10の大手企業が営利目的で淡水の供給を行っています。最大の2社はフランス企業のヴィヴァンディ社と、スエズ社です。この2社で150カ国の2億人以上の人々に民営の水道・下水サービスを提供しています。ほかにサウル社や、ベクテル・ユナイテッド・ユーティリティー社なども加わって、地球の隅々にまで進出しようと競っています。
世界銀行とIMFはこうした企業を支援して、第三世界諸国に対して公共の水道サービスを廃止して水関連の大企業と契約するよう圧力を強めています。
それを債務軽減の条件にしているのです。
これらの企業のヨーロッパや第三世界における業績はよく知られています。
莫大な利益、水道料金の値上がり、料金を払えない住民への供給の停止、不透明な取引、水質の劣化、そして賄賂と腐敗です。
営利目的の水関連産業には、このほかにもさまざまな形態があります。
ボトル・ウォーター産業は巨大産業となり、年に20%の割合で成長しています。昨年、全世界で840億リットルのボトル・ウォーターが販売され、この産業の利益は220億ドルに達しました。ボトル・ウォーターの大手企業は、世界の高級市場向けの新しい水源を求めて地球の隅々まで探索しています。ネッスルはペリエをはじめ68以上のブランドを持っていますが、この会社の元会長は、「水を地中から汲み出すだけで、ワインやミルクや石油よりも高く売れる」と語っています。
ペプシとコークが相次いで本格的に参入し、この産業のリーダーになることを目指しています。
ペプシのアクアフィナは北米市場で年60%の割合で成長しており、コークのダサニは学校や大学で独占的なシェアを獲得しつつあり、年130%の割合で成長しています。
コークは今では世界のTLI、つまり飲料総消費量の10%を供給しています。世界の子供の98%がこのブランド名を知っています。
ペプシは湧き水ではなく、浄化した水に特化しています。
つまり、普通の水道水を使って、それを逆浸透フィルターに通し、多少のミネラルを加え、それを販売して200%近い利益を上げているのです。
今ではいくつかの企業が、商業用に淡水を遠くまで運ぶための大規模なパイプラインの建設を進めています。
また、ある企業はラテンアメリカの未開地を買い占めて、そこの地下水を確保し、売れる時が来るのを待つことを計画しています。
また、別の企業は巨大タンカーと巨大な密封容器を建造して、大量の水を海を越えて輸送し、購買力のある消費者に販売する計画に精力的に取り組んでいます。
ある企業はインターネットのホームページで投資家に対して、「世界中の水源の枯渇と劣化によって急速に広がっているビジネス機会を活用しませんか」と呼びかけ、さらに「水は誰でも手に入れられる無尽蔵の商品から、割り当てに制限があり、力によって確保される必需品に変わりました」と付け加えています。
世界銀行は「水はいずれ、現在の石油のように、何らかの方法で世界を巡るようになるでしょう」と言っています。
これらの企業は、国際的な通商協定を使って淡水の閉鎖的国内市場をこじ開けようとしています。
すでにNAFTAでもWTOでも、水は商取引の対象となる「商品」として定義されています。
商取引される水道の栓を一度開いてしまったら、それを閉めるのはこれらの協定で保証されている企業の権利を侵害することになります。
WTOにはいかなる目的でも輸出を規制することを禁止する規定があります。
NAFTAの第11条では、いずれかの政府がそのような規制を試みた場合に、企業は失われた将来の利益への賠償を求めて提訴する権利を認められています。
実際に、あるカリフォルニアの企業がNAFTAの下で、カナダ政府を相手に数十億ドルの訴訟を起こしています。ブリティッシュ・コロンビア州が水の輸出を禁止したためです。
また、WTOのサービスを巡る交渉、いわゆるGATS(「サービス貿易一般協定」)の中で「環境関連サービス」という新しい分野についての交渉が行われています。
もし米国政府がこの項目を議題に上らせることに成功すれば、水関連のサービスと水の供給の民営化が、WTOのすべての加盟国に強制される可能性があります。
問題は非常にはっきりしています。すべての人々が力を合わせて、枯渇しつつある全世界の水系を保全する方法を決めなければならないこの瞬間に、大きな手が現れて、それを企業の利益のために囲い込もうとしているのです。私たちは今、企業による水の支配のための舞台を準備しています。そのまったく反対のビジョンが求められている時にです。
本当は私たちは世界の水を保全する方法を知っています。
失われた水系を再生し、灌漑の代わりに雨水を利用し、基礎的な構造を修復し、水を浪費せず、生産のやり方を根本的に変え、川の流域を管理すること、そのほかにも方法はいっぱいあります。
第三世界の債務を帳消しにし、対外援助を増やし、金融投機に課税するならば、地球上のすべての人にきれいな水を供給することは可能です。
しかし、そのためには私たちは水に「世界の共有財産」という刻印を押し、それを汚染しようとする企業や政府を地方の条例や国内法、国際法の下に置かなければなりません。
世界の淡水の商品化を許すならば、私たちは迫りくる水危機を避ける手段を失うでしょう。
そして水を支配するエリートが登場して、自分たちの利益に沿うように世界の水の将来を決定するようになるでしょう。
そうなれば、水はそれを必要とする人たちにでなく、それを購入できる人たちにだけ供給されるでしょう。
こう言ったからといって、私は一部の政府が共有財産である水資源をいい加減な方法で扱い、浪費や汚染、あるいは政治利用してきたことを擁護するつもりはありません。
しかし、国家の政府によるいい加減な管理に対する解決策は、無責任な多国籍企業に委ねることではなく、正しく管理することです。
貧しい国の政府に対する金持ちの国の支援は、水の不適切な管理から利益を上げることにではなく、各国の公共セクターがその役割を果たすのを支援することに向けられるべきです。
水の商品化は倫理的にも、環境上も、社会的にも間違っています。
それは水の配分に関する決定を環境や社会的公正の観点ではなく、主に商業の観点から行うことにつながります。
民営化されれば、水資源の管理は長期的な持続可能性の原理ではなく、希少性と利潤極大化の原理によって行われるようになります。企業は消費の拡大によって利益を上げようとし、水の保全よりも化学薬品、淡水化技術、マーケッティング、水の貿易のために投資するでしょう。
それでも水の商品化は恐るべき速さで拡大しています。
水を支配するエリートたちは、みんながそれに賛成しているといっています。これは全くの嘘です。
世界の市民は、この動きについて意見を求められるどころか、知らされてもいません。私は強い疑いを持っています。もし人々が意見を述べる機会を与えられていたら、「ノー」と言っていたのではないかという疑いです。
水の商品化の害悪を取り除くには、脱商品化するしかありません。
水はいつの時代でも、すべての人々の共有財産であることが宣言され、理解されなければなりません。すべてのものが民営化されつつある世界の中で、市民は生命のために侵害されてはならないもの、地球の生命にとって不可欠なものの周囲にはっきりとした境界線を築かなければなりません。
民営化の支持者たちは、支持を得るために「消費者の選択」という議論を持ち出します。
しかし、水は選択できるものではなく、富の効率的な蓄積の手段でもありません。それは生きるか死ぬかの問題なのです。
水は靴やピザのように売り買いできるものではありません。水はほかの何によっても代替できません。したがって、水は市場原理に従属させられてはならない基本資産です。
だからこそ、すべての社会がすべての人々に水の基本的な供給を保証するためのコストを社会的に負担しなければならないのです。
私たちにとって絶対に必要なものは、水に関わる新しい倫理です。
その基礎は、私たちと自然世界の結びつきについて再考し、水のかけがえのない役割を理解することです。
水資源に恵まれた国では、3つの神話が信じられてきました。
水は無尽蔵にあり、使い尽くすことはないという神話。
水の供給は安定していて、これまでも、これからもずっと利用できるという神話。
そして、人間は他の生物から超越した、優れた存在であり、したがって私たちの水の利用は、たとえ破壊を伴うやり方であっても、常に「次元が高い」ものであるという神話です。
新しい倫理の中には、危機のときには水を分かち合うということが含まれます。
しかし、社会がふたたび水の持続可能性を回復するまでの間、水を分かち合うということは、開放された市場で利潤のために水を売買することとは全く違います。同様に、私たちは水の価格についても原則を踏まえた議論を行う必要があります。
利潤目的のシステムでは、水の価格は市場操作の道具となり、環境運動家や活動家の間で構想されているような、水の保全と公正な分配を奨励するための手段とはなりません。
簡単に言うと、私たちは水が地球と地球上のすべての生物のものであり、基本的な人権であることを宣言しなければならないということです。
誰も利益のためにそれを所有する権利はありません。水は公共の財産であることが宣言されなければなりません。すべての政府はその国の淡水を保全するための法律を制定しなければなりません。
また、国際的な法律の枠組みがどうしても必要です。
私たちは「世界水条約」あるいは国際的な水の保全のための方法を確立するための議会を提案しています。それは水の保全と公正な分配の2つの原則を土台にしたものです。
地球上のすべての人々は「水のライフライン」を保証されなければなりません。毎日、無償で、きれいな水が得られることは、侵害されてはならない政治的・社会的権利です。水を破壊することは国際犯罪とみなされなければなりません。
世界の市民は、2002年8月に南アフリカで開催される「持続可能な発展のための世界サミット」(リオ・プラス・テン)と、2003年3月に日本で開催される「第三回世界水フォーラム」に向けて、自国の政府に次のような条約を批准させるために力を合わせなければなりません。この両方の重要な集まりにおいて、市民社会は存在を示し、私たちの共有財産である水の未来のための別のモデルを強力に主張しなければなりません。
世界の水=共有財産を分かち合い、保全するための条約イニシアチブ
私たちは下記の真理が普遍的であり、相互に深く関連していることを宣言する
・地球上の淡水の固有の価値は、その使用価値や商業上の価値を超えたものであり、したがってすべての政治、経済、社会機関によって尊重、保全されなければならない。
・地球上の淡水は地球、およびすべての生物のものであり、したがって、売買したり利益のために取引するような私的な商品として扱われてはならない。
・地球上の淡水は共有財産であり、公共財産であり、基本的人権であり、したがってその管理は共同の責任である。
さらに、
・世界の利用可能な淡水は有限であり、それが今、急激に汚染され、運び出され、あるいは枯渇しつつあり、そのために膨大な数の人々と生物が生きるための水を奪われつつある。
・世界中の政府は、貴重な淡水資源を保全してこなかった。
したがって、世界の諸国民は地球上の淡水が地球の共有財産であり、すべての人々、地域社会、および各級政府機関によって保全および保護されなければならない。
淡水を民営化、商品化、売買、輸出することは許されないこと、また、淡水を既存の、および将来における一切の国際条約および2国間条約、投資条約からただちに除外するべきであることを宣言する。
署名国および先住民グループを含む本条約の当事者はまた、地球上の淡水を共有財産として管理することに同意する。
署名者は、すべての国家および居留地がその境界内における淡水の水源を管理し、その管理および分配の方法を決定する主権と責任をもっていることを認識する。
全世界の政府は、その領土内における水が公共の財産であることを宣言し、それを保全するための強力な法律を制定するためにただちに措置を講じなければならない。
しかし、世界の淡水は世界の共有財産であることから、いかなる機関、政府、個人、企業も営利目的でそれを販売してはならない。
最後に、2つの思想を紹介したいと思います。
1つは「ナショナル・ジオグラフィック」誌のマイケル・パーフィットによるものです。
「水は、その源流を流れているときには、あなたと深い関わりを何重にも持ち、まるで家族の一部のようだ。水の循環という大きなスケールからみれば、それはすべての人類が難問を抱えているのと同じように、大きな問題を持っていることが分かる。
セルビア人、ロシア人、コユーコンインディアン、アーミッシュ、十億人の人々が住む中国。人々は様々な問題を抱えており、その解決策はなかなか見つからない。川を遡って家に近づくにつれ、水とのつながりが深まっていく。
大きな川は手に負えなくなったあなたのようだ。湖はあなたのいとこ、小川はあなたの妹、池はその子ども、そして、どのような運命になろうと、健やかなる時も病めるときも、水はあなたの生涯の伴侶なのである。」
(『ブルー・ゴールド〜独占される水資源〜』(市民フォーラム2001 2000年)P90)
エレノア・ルーズベルトは「未来は美しい夢を信じる人たちのものだ」と言いました。
私はこんな美しい夢を信じています。
地球の水危機への取り組みが世界平和につながること。すべての人が自然の前に跪き、自然が私たちに与えた限界の中で、互いに平和に暮らすことを学ぶこと。
そして共同の作業を通じて世界の人々が、生命にとってかけがえのない水は地球とすべての生命の共有財産であり、これから生まれてくるすべての世代のために保全されなければならないと宣言することを。
ありがとうございました。