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水は生命である
 〜市民社会の世界水行動ビジョン〜



 市民社会の世界水行動ビジョンへの署名団体は、ハーグでの第2回世界水フォーラムにおいて採択され、二○○三年三月の世界水フォーラムの政策や計画の基礎となっている世界水会議のビジョン声明を行動原則として確定することを、以下の理由から拒否する。

・世界水会議のビジョンは、商品化や民営化、大規模な開発などによって、水資源管理の全てを民間企業に引き渡すような水管理モデルを提示していること。

・このビジョンは、地元の小作農民による小規模な地域共有の伝統的農業慣習を犠牲にして、大規模な工業化された農業における水利用を優先するものであること。

・このビジョンは、水利用を「節約」する目的から遺伝子組み換えした種子の利用拡大を促進し、その結果として地球と我々人類の多様性や保持すべき文化を損なうこと。

・世界水会議が、各国の代表者が集まった民主的組織ではなく、実は国際金融機関や大規模な多国籍水企業とか、彼らと利害を共にする非政府組織などが一体となった排他的勢力から生まれた組織であること。

・世界水会議とそのビジョンは、何ら協議や討論を行わず、あるいは世界中の市民を代表する草の根団体による賛同を得ることもなく、世界の水の未来に関する「コンセンサス」を得たと主張していること。

・世界水ビジョンが示すモデルは、世界的に標準化されつつあるが、その結果として水のエコシステムやそれに依存する人々の多様性を破壊するとともに、世界中の淡水資源の寡占化や、環境破壊、そして世界中で数百万人、数十億人にのぼる人々の死を招くことになること。
 水は、常に地球とすべての生物のものである。水は、不可侵の人権であるとともに、すべての人々やコミュニティ、国家、そして地域や国家、国際間の各レベルでそうした人々などを代表する組織によって守られ、育まれるべき公共財である。

以上のような確固たる原則に基づき、我々は以下のとおり要請する。


 水は商品ではなく、いかなる人も組織もそこから利益を得る権利を持たないものである。気まぐれな市場動向によって左右されることがあってはならない。

 それゆえ、水は営利を目的とする商品化や民営化、貿易や輸出などの対象とされることがあってはならない。国際間や地域間、二国間でのすべての取引契約において、契約上の「商品」や「サービス」、「投資」などの規定から、水は除外されなければならない。


 人は皆、清潔な水を得る権利を有している。
世界中の政府は、清潔な水や衛生状態を全く得られないとか、ほとんど得ることがない貧しい人々にそれらを提供するため大幅に予算を増加させるよう、我々は要請する。
現在の天文学的な数字の軍事予算を削減することによって、地球上に生きるすべての人々に対して清潔で安全な水が供給できるようになると、我々は確信する。


 我々が主張するのは、貧しい国々において水の安全性を確保するため債務帳消しが不可欠だということであり、民営化(Privatization)を国際間の融資条件に利用することを止めるよう我々は要請する。


 生きるための水供給を持続可能なものとする鍵は、すべてのエコシステムの生態的総体性を維持、保全することであると、我々は宣言する。
劣化したエコシステムの回復のための再生計画を採択し、実施するよう、我々は要求する。
さらに、将来の水を確保することは、一握りの企業による食料や種子の独占とか工業化された農業とは相容れないものであると、我々は宣言する。
食糧生産における自給自足という目標を我々は支持する。


 我々はまた、超大型ダムのような大規模水開発事業は、環境的にも社会的にも持続不可能なものだと考える。
ゆえに、将来の水を確保するには、先住民、小作農民や漁民、そして彼らの伝統的な知識が保有している権利を認識し、尊重して、保護することにかかっている。

我々が強調するのは、水が確保できないと最も悪影響を受けるのは地域コミュニティであるため、世界中の農漁民や女性の集団からの意見を、水管理問題の中で中心に位置づけるべきだということである。


 水は、公共財として、また不可侵の人権として、それに依存して生命や生活を維持している人々やコミュニティによって管理されるべきである。
水道事業の運営は、公共の手に委ね続けるべきである。
また、それだけはなく意思決定のプロセスを民主化し、透明性や説明責任を確保するために、コミュニティや労働者による参画をその中心に据えるべく、運営を活性化し、強化する必要がある。


 こうした参画は、水資源に関するすべての意思決定において、国家や地域、国際間の各レベルに拡大されるべきである。 
さらにまた、すべての水資源開発事業は、その事業から影響を受けるコミュニティの権利に対する配慮に基づいて進めるべきであり、事業に関する意思決定において完全かつ有意義な参画の機会を提供すべきである。


 最後に、水は一つの人権であるがゆえに、世界の水資源の管理と保存については、全面的に正義、連帯、相互利益、平等、多様性、そして持続可能性の原則に基づくべきことを我々は主張する。

二○○二年のポルトアレグレ宣言において述べられているとおり、すべての立法関係者や国会議員が同宣言のビジョンを立法化するため必要な手順を踏むよう、我々は要請する。


 (註)各フォーラムの日程は以下のとおり:
第1回世界市民水フォーラム
  フィレンツェ、イタリア(3月21日-22日)
社会水フォーラム
  サンパウロ、ブラジル(3月16日-23日)
アフリカ水会議
  アクラ、ガーナ(開催日程未定)
ウォーター・ウォーター会議&フェスティバル
  ニューヨーク(3月16日-23日)
全国市民水フォーラム
  ニューデリー、インド(3月15日-16日)

(翻訳協力 KOJI)

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